2021年4月12日月曜日

『宇宙の戦士』 ロバート・A・ハインライン

誰のために、何のために、なぜ戦わなければいけないのか・・・問いかける巨匠の力作

■裏表紙より抜粋
単身戦車部隊を撃破する破壊力を秘め、敵惑星の心臓部を急襲する恐るべき宇宙の戦士、機動歩兵。少年ジョニーが配属されたのはこの宇宙最強の兵科だった。かれの前には一人前の戦士となるための地獄の訓練が待ち受けている・・・・・

■感想
アニメ『機動戦士ガンダム』(1979年)誕生のヒントにもなった作品としても有名な本作。
改めて読み返すと、スタジオぬえによる口絵/挿絵に描かれたパワードスーツ(装着型の戦闘用機械)に、ガンキャノンの面影が見えます。
一人の少年がその場の勢いで入ってしまった宇宙軍で、一人前の戦士となるまでの過程が詳細に描かれていきます。
「〇〇年代における宇宙の戦士」とのキャッチコピーが付いた作品は何作もありますが、その重厚さはさすがオリジナルという読み味です。
宇宙SFの皮を被ったアメリカのプロパガンダとも読めますが、なぜ戦わないといけないのか、誰のために、何のために・・・平和慣れした自分に色々と考えさせるものでもありました。
(STARSHIP TROOOPERS by Kim Robert A. Heinlein, Copyright 1959. 1979年発行)

★★★

2021年2月21日日曜日

『6600万年の革命』 ピーター・ワッツ

6600万年の悠久とも言える歳月を費やす、恒星船乗組員とAIとの攻防

■帯より転載
目覚めるのは数千年に一回
恒星船乗組員の極秘の叛乱計画
星雲賞受賞『ブラインドサイト』の著書が放つ
最強のハード宇宙SF

■感想
良い意味での何とも言えない読後感と読みづらさ(理解が追い付かない)が唯一無二な作品『ブラインドサイト』(Copyright 2006, 2013年発行)から打って変わり、本作は読みやすい主人公の目線(一人称)で描かれ、同じ作者かと当初は面食らいます。
しかし、読み進めていくと納得の著者らしい、神とは何かと考えさせられるような哲学・背景思想、忍び寄るホラータッチな何か、空間・時間軸において閉鎖された船、一人称を生かしたレトリックやミスリード・・・等、その世界観に惹き込まれていきます。
宇宙船による旅の目的をはじめSF的ギミックは十分に設定が練られているはずなのに、説明は知っているもののとして進められていくところにも痺れます。
未読の『巨星』(短編集, 2019年発行)を読むことで、さらにこの世界を奥深く楽しむことができそうです。
※本作の巻末にある解説(渡邊利道)は、ネタバレを含んでいますので、巻末から読む方はご注意ください!
(THE FREEZE-FRAME REVOLUTION, HITCHHIKER by Peter Wats Copyright 2018. 2021年発行)

★★★★


■SUNFLOWER CYCLE Series
・『島』(Copyright 2009. 2019年発行, 『巨星』収録)
・『ホットショット』(Copyright 2014. 2019年発行, 『巨星』収録)
・『巨星』(Copyright 2014. 2019年発行)
・『6600万年の革命』(Copyright 2018. 2021年発行)
・『ヒッチハイカー』(Copyright 2018. 2021年発行, 『6600万年の革命』収録)

2021年2月17日水曜日

Honda CT125・ハンターカブ: 慣らし運転

半年がかりで慣らし運転終了


■慣らし運転(OWNER'S MANUALより転載)
適切な慣らし運転を行うと、お車の性能をより良い状態に保つことができます。
慣らしのポイント(走行距離500kmまで)
・急発進、急加速をさける
・急ブレーキ、急なシフトダウンをさける
・控えめな運転をする

2021年2月14日日曜日

Honda CT125・ハンターカブ: 実燃費②

今回はマニュアルとおりに燃料計マークの残り1つが点滅になってから給油


■2回目の計測
実燃費 51.4km/L
走行距離 221km
給油量 4.3L

■通算
実燃費 51.6km/L
初回給油時からの走行距離 433.4km
給油量 8.4L

2021年2月11日木曜日

『2312-太陽系動乱-(上・下)』 キム・スタンリー・ロビンスン

常に太陽の反対側に来るように、水星の表面に敷かれたレール上を巨大な都市が移動する。巨大なギミックに惹かれる

■裏表紙より抜粋
西暦2312年、人類は太陽系各地で反映しつつも、資源格差や環境問題をめぐり対立を深めていた。そんななか、諸勢力共存の要であった水星の大政治家アレックスが急死。彼女の孫スワンは、移動都市を襲う隕石衝突に巻き込まれる!

■感想
テラフォーミングされた太陽系内の各惑星の描写と地球外に進出した人類の多様性が特徴的です。
一般的な地球外惑星の描写は、各惑星の太陽からの距離による気候変動を加味した地球に似たものであったり、惑星表面に建てられたドームなどが多く、その他のギミックやストーリーに力点が置かれています。
しかし、本作では水星は「常に太陽の反対側に来るように、水星の表面に敷かれたレール上を巨大な都市が移動する」と描かれ、今までにはないイメージを想起させてくれます。
また、小鳥の脳を追加移植した水星人の主人公スワン、ヒキガエルのように眼玉を飛び出した土星連盟の外交官ワーラムなど、キャラクターの造形も凝っています。
ただし、本作の主題を「愛」と読むか、「量子AIの奇妙な動き」と捉えるかで、評価が分かれるような気がします。
(2312 by Kim Stanley Robinson, Copyright 2012. 2014年発行)

★★★





2021年2月8日月曜日

『けものたちの名前』 ROTH BART BARON

もしもここを生き残れたら 僕の本当の名前をあげよう・・・神話的な広がり・深さに浸る

けもののなまえ feat. HANA|ROTH BART BARON - studio session -

■感想
『極彩 | I G L (S)』(5thアルバム収録曲)の衝撃で、4thアルバムの本作も購入。
1曲目・アルバムタイトル曲(微妙に違いますが)『けもののなまえ』は、当時13才のHANAのあどけなさと大人になる前だからこそ持つ凛とした強さが同居した歌声から始まります。
そして、三船雅也の歌声が寄り添うように加わり、聴く者の想像を優しく力強く広げていきます。
「もしもここを生き残れたら 僕の本当の名前をあげよう」・・・神話に登場する呪術「真の名を知る=相手を支配する」かのように。
1曲目のエンディングから2曲目への繋ぎもとても良く、高揚感を誘います。
また、FLAKE RECORDSのように販売店独自の特典を付けているショップもあり、Live音源を楽しむことができます。
(2019年11月発売)

■特典
①ハイレゾ音源付き
CDのパッケージ内に、[wav 24bit / 96kHz] DLコードが書かれた紙が封入されており、追加費無しでハイレゾ音源が入手できます。
②ストア別特典・送料 *送料は首都圏の場合 *2021/2/8時点
FLAKE RECORDS: 大阪の有名なレコード店
 特典: ROTH BART BARON "HEX” Tour 2019.1.19 @心斎橋Clapper Live音源収録のCD-R *2枚組・全19曲の大ボリューム!
 送料・代引き手数料: 1,100円
STEREO RECORDS: レコードのみ取り扱い *SOLD OUT
 特典: ROTH BART BARON "HEX” Tour 2019.1.14 @岩国ロックカントリー Live音源CD-R
 送料: 690円

☆☆☆☆☆

2021年1月31日日曜日

『時を紡ぐ少女』 ジェニファー・アルビン

絵画『大地のマントを刺繍する』から着想を得た、彩る世界の物語

■裏表紙より抜粋
紡ぎ女が織るつづれ織りに刺繍娘が刺繍を施す。それがアラスの世界を形作っていた。人の生死さえも。政府の方針に逆らった両親は消され、無理やり連れていかれたアデリスを待っていたのは、華やかな生活とその裏に潜むアラスの真の姿だった。

■感想
本作は著者が、画家レメディオス・バロの『大地のマントを刺繍する』(EMBROIDERING THE EARTH’S MANTLE by Remedios Varo, 1961)から着想を得たそうです。
その絵画のごとく、刺繍娘が刺繍を施すことで、気象・農産物・人口など全てを制御する世界。
刺繍娘が織機を用い、一本一本の糸が絡み合い彩る世界を織っていく描写は、とても美しいもので、1枚の絵画からよくぞここまで広げられたかと感嘆のあまりです。
しかし、本作は三部作の1作目にあたるため、世界観の説明に多くを割かれ、多くの謎や主人公アデリスの運命の先は次巻への持ち越しとなります。
(CREWEL END by Gennifer Albin, Copyright 2012. 2015年発行)

★★★


■Crewel World Trilogy
・『時を紡ぐ少女』(Copyright 2012, 2015年発行)
・『ALTERED』(Copyright 2013,未訳) 
・『UNRAVELED』(Copyright 2014,未訳) 

■EMBROIDERING THE EARTH’S MANTLE by Remedios Varo, 1961
※WIKIARTより転載

2021年1月23日土曜日

『極彩色の祝祭』 ROTH BART BARON

君の物語を絶やすな・・・繰り返されるシンプルなメッセージがそっと背中を支えてくれる

ROTH BART BARON - 極彩 | I G L (S) (Official Video)

■感想
「関ジャム完全燃SHOW」(テレビ朝日、2021/1/17)で蔦谷好位置(音楽プロデューサー)が、アルバム2曲目『極彩 | I G L (S)』を2020年の年間1位として紹介。
テレビを見ていて、衝撃と感銘を受けました。
「君の物語を絶やすな」「君の物語を絶やすな」・・・と繰り返されるシンプルなメッセージが、コロナ禍において不安を抱える私たちの背中をそっと支えてくれるように聞こえたのです。
そして衝動的に、本5thアルバムと4thアルバム『けものたちの名前』を注文した次第です。
アルバム全体のレビューは他の方たちに任せて、AmazonやHMV等の仕様やレビューでは今一つ伝わっていない特典をご紹介。
ストリーミングで気に入ったら、CDやLPのパッケージものを購入することをお勧めします。
手元に残したい所有欲を満たすだけではない、十分な付加価値が付いています。
握手会とは違う、パッケージを売るための模索に好感が持てます。
(2020年10月発売)

■特典
①ハイレゾ音源付き
CDのパッケージ内に、Hi-Resolution [24bit / 96kHz] Download Codeが書かれた紙が封入されており、追加費無しでハイレゾ音源が入手できます。
(mora等の音源販売サイトでは、ハイレゾ音源2,200円)
LPにもDL Codeは付いてくるので、ジャケットのアートワークが見栄えがするサイズの大きいLPにしておけば、と少し後悔しています。
②アートワークが美しい歌詞カード
歌詞カードは1曲ごとジャケットサイズの用紙に分かれており、ジャケットと同様な素晴らしいアートワークが施されています。
歌詞のレイアウトも1曲ごと違い、アートワークと共にそれぞれの曲のイメージを膨らませてくれます。
③ストア別特典・送料 *送料は首都圏の場合 *2021/1/23時点
他にもあるかも知れませんが、下記2店舗では、その店オリジナルの特典が付いてきます。
私は迷ったあげく、Acoustic Session音源が聞きたかったことと応援を兼ねて公式オンラインショップから購入。
アルバムやグッズのチラシ等も同封されてきました。
THE ROTH STORE: 公式オンラインショップ
 特典: アルバム収録曲のAcoustic Session音源のDLコード(10曲入り) *ハイレゾとMP3の両方をDL可能
 送料: 370円
FLAKE RECORDS: 大阪の有名なレコード店
 特典: ツアー”2020”から新代田FEVERと梅田シャングリラのライブ音源より抜粋した全13曲のライブ音源CD-R
 送料・代引き手数料: 1,100円 *ライブ音源代と思えば安い
STEREO RECORDS: レコードのみ取り扱い *SOLD OUT
 特典: 三船雅也による未発表アンビエントトラック集のDLコード
 送料: 690円

☆☆☆☆☆

2021年1月19日火曜日

『タウ・ゼロ』 ポール・アンダースン

映像では表現できない、小説でしか堪能できないイマジネーションの極限。空間と時間の永遠とも思われる広がりの行きつく先

■裏表紙より抜粋
50人の男女を乗せ、32光年彼方のおとめ座ベータ星第三惑星をめざして飛びたった恒星船。だが不測の事態が発生する。亜高速の船を止めることもできず、彼らはもはや大宇宙を果てしなく飛び続けるしかないのだろうか・・・?

■感想
50年前の作品とは思えない面白さ、裏表紙に書かれた「現代SF試乗に一時代を画したハードSFの金字塔」は偽りではありません。
常時加速を続けている宇宙船の減速装置が故障したとき、何が起こるのか?
止まれなくなった宇宙船は限りなく光速に近づくが、決して光速を超えることなく、極限まで光速に近づいていく。
太陽系・銀河系・おとめ座超銀河団・・・、100年・1万年・1億年・・・、空間と時間の永遠とも思われる広がり(スケール)は、到底、映像では表現できるものではありません。
小説でしか堪能することができないイマジネーションの行きつく先は、読者の想像力の極限に迫ります。
(TAU ZERO by Poul Anderson, Copyright 1970. 1992年発行)

★★★★★

2021年1月7日木曜日

『レインボーズ・エンド(上・下)』 ヴァーナー・ヴィンジ

いつでも・どこでも・何でも・誰でもがコンピュータネットワークにつながる近未来

■帯より転載
ヒューゴー賞・ローカス賞受賞
全人類をマインド・コントロールする
細菌兵器開発をめぐる諜報工作
極めてリアルな電脳的近未来

■感想
Apple iPhoneの初代発売(2007年1月)の前年、日本ではSharp W-ZERO3(2005年発売)等の通信機能を持った小型端末が発売され、「ユビキタス(いつでも・どこでも・何でも・誰でもがコンピュータネットワークにつながる)」の概念が一般に浸透し始めた頃に発表されたのが本作です。
コンタクトレンズ型のウェアラブルコンピュータ、自由にコーディネイト(表示)できるウェア、アバターとリアルの混在、凄腕ハッカーの暗躍、そしてAIを超えた何か・・・など、現在の技術の延長線上にあるリアルなギミックが、絵空事の未来ではなく、地続きな近未来を感じさせます。
2006年時点では近未来であった設定ですが、そこから15年経た2021年現在には、Google Glass等萌芽したデバイスもあり、未来感としてのワクワクが薄れたことは否めません。
しかし、ストーリーの中心をなす3世代ファミリーの造形(老人の頑なさ、両親の親への感情、子どもの無邪気さ等)は通り一遍ではない多面性があり、その他の登場人物も含めキャラクターづくりには普遍的な深みを感じます。
(RAINBOWS END by Vernor Vinge, Copyright 2006. 2009年発行)

★★★