■帯より転載
大いなる旅立ち!
流刑惑星トリーズンで、国を追放された王
子ラニックのたどる数奇な運命とは・・・・・・?
■感想
冒頭の著者から「読者のみなさんへ」によると、本作は1979年に長編第二作として出版されたものを、ストーリー自体は変えず語り口を改定した1988年の作品です。
カードの多くの作品に共通する「特別な力を持った少年が、自分自身とその世界の様を発見し、変革していく」という骨子は、本作も同様です。
ただし、著者自らが初期の作品と呼ぶように、ご都合主義、行き当たりばったりなファンタジー冒険譚は、長編『エンダーのゲーム』から読み始めた者としては洗練されていない様に違和感を残す読後感でした。
また、本作の約30年後(2010年)に発表された『道を視る少年』は、洗練された原点回帰な作品であったことも分かりました。
(TREASON by Orson Scott Card, Copyright 1979,1988. 1992年発行)
★★★