2026年6月13日土曜日

『奇跡の少年』 オースン・スコット・カード

18世紀末のアメリカ開拓時代を舞台とした、カード定番の「特殊な能力を持った少年の成長」ものだが、SFではなくファンタジー

■裏表紙より抜粋
18世紀末、北米大陸はヨーロッパ諸国の植民地として分割され、多くのアメリカ人が新しい土地を目指して西へと向かっていた。旅は危険に満ちていた。森には精霊が宿り、先住民が白人の頭皮を狙って潜んでいた。そんな森の奥深くで、特別な力を持った子供、アルヴィンが生まれる。

■感想
本書は<アルヴィン・メイカー・シリーズ>の1作目です。
7番目の息子の7番目の息子は特別な力を持って産まれる言い伝えと共に、主人公アルヴィンが産まれるところから10歳までが描かれています。
何度か主人公に厄災が降りかかりますが、特別な力によって回避されます。
それは、アルヴィンの命を狙う黒い影が近づいている証左でもあります。
話の舞台がほぼアルヴィン一家の家や山のため、主人公の冒険はまだ始まっておらず、2巻へのお楽しみとなっています。
(SEVENTH SON by Orson Scott Card, Copyright 1987. 1998年発行)

★★★


■アルヴィン・メイカー・シリーズ
・『奇跡の少年』(Copyright 1987. 1998年発行)
・『赤き預言者』(Copyright 1988. 1999年発行)
・『Prentice Alvin(Copyright 1989. 未訳)
・『Alvin Journeyman』(Copyright 1995. 未訳)
・『Prentice Alvin』(Copyright 1998. 未訳)
・『The Crystal City』(Copyright 2003. 未訳)
・『Master Alvin』(Copyright 2026. 未訳)

2026年6月9日火曜日

『アビス(上・下)』 オースン・スコット・カード

映画『アビス』を下敷きとした、2,000フィートの深海からの訪問者とのファーストコンタクトもの。カード定番の「特殊な能力を持った少年の成長」とは全く違う赴き

■帯より転載
『ターミネーター』『エイリアン2』のJ・キャメロンが挑む、人間とETの深海ドラマ!
超大作映画化! ’90年3月全国ロードショー
監督=J・キャメロン
主演=エド・ハリス メアリー・エリザベス・マストラントニオ マイケル・ビーン

■感想
監督あとがきにあるように、本書は映画の単なるノベライゼーションではなく、映像では描き切れない深海からの訪問者たちの行動の意義付けや彩りを加えている「小説」です。
ベースとなるアイディアやプロット、キャラクター造形はJ・キャメロンに依るもののため、カード定番の「特殊な能力を持った少年の成長」を期待すると、肩透かしを食らいます。
『2001年宇宙の旅』の映画と小説のような関係性を狙ったようですが、映像的表現の先行や映画らしいストーリー展開のため、カードのファンとしては微妙な本書となります。
(THE ABYSS by Orson Scott Card based on an original screenplay by James Cameron, Copyright 1989. 1990年発行)

★★★








2026年5月29日金曜日

『キャピトルの物語』 オースン・スコット・カード

カードのデビュー作「ライフループ」を含む、『神の熱い眠り』を補完する短篇集

■裏表紙より抜粋
銀河帝国の首都キャピトルでは、人工冬眠薬ソメックが人々の関心を集めていた。ソメックを投与された人間は数年ごとに睡眠と覚醒を繰り返し、ほとんど永遠に生き続けることができるのだ。だがこの偽りの不死が、大いなる悲劇をもたらすことになろうとは……?

■感想
本書は、<ワーシング年代記シリーズ>の2巻にあたりますが、1巻の登場人物を深掘りする短編6作品から成る「第一部 キャピトルの物語」と、1巻の原型となる短編3作品から成る「第二部 ウォーターズの森の物語」の二部構成になっています。
1巻と同様、SF的要素は「ソメック(冷凍睡眠)」のみで物足りなさを感じますが、カードの原点にあたる作品のため、エンダーの兄ピーターやビーンの宿敵アシルを思わせるキャラクターが登場することが面白さの一つです。
(THE WORTHING SAGA by Orson Scott Card, Copyright 1978,1979,1980,1982,1989,1990. 1995年発行)

★★



2026年5月28日木曜日

『神の熱い眠り』 オースン・スコット・カード

カードの原点といえる長篇。SF的要素は少なく神話的だが、後の作品『死者の代弁者』などにも通じる読後感

■裏表紙より抜粋
あらゆる苦痛が瞬時に癒され、不幸や恐怖の存在しない世界―少年レアドが暮らすその世界に突如<苦痛>が蔓延した朝、人々の前に不思議な男が現われた。男はジェイスン・ワーシング、伝説の神と同じ名の持ち主だった。

■感想
本書は、<ワーシング年代記シリーズ>の1巻です。
SF的要素は「ソメック(人工冬眠薬)」と「宇宙船」が少しばかり登場しますが、中世ヨーロッパの僻地を舞台としたような世界で、読後感は神話に近いです。
ジェイスン・ワーシングの一万五千年以上にわたる波乱の人生を、ジェイソンに語らせるのではなく、僻地の鍛冶屋の息子に夢を通じて伝達して書き留めさせる、という構造が面白さを最後まで持続させています。
また、カードの原点にあたる作品のため、後の作品のキャラクターの原型やストーリー展開を思わせる節があるのもファンとしては面白いところでもあります。
(THE WORTHING SAGA by Orson Scott Card, Copyright 1978,1979,1980,1982,1989,1990. 1995年発行)

★★★


■ワーシング年代記シリーズ
・『神の熱い眠り』(Copyright 1978,1979,1980,1982,1989,1990. 1995年発行)
・『キャピトルの物語』(Copyright 1978,1979,1980,1982,1989,1990. 1995年発行)

2026年5月13日水曜日

『ミネルヴァ計画』 ジェイムズ・P・ホーガン

並行宇宙をテーマにすることで、世界線A・B・・・が拡散・収束される


■帯より転載
『星を継ぐもの』シリーズ
堂々の最終巻!
シリーズ累計266刷154万部突破!
2024年創元SFオールタイム・ベスト読者投票第1位

■感想
本書は14年振り(日本では18年)に刊行された《巨人たちの星(星を継ぐもの)シリーズ》の5作目にして最終巻です。
本作は「並行宇宙(Bの世界線)のハント博士から本書の世界(Aの世界線)のハント博士へ通信が入る」ことから物語は始まります。
SFの面白さの一つに、異星人・文明などの地球以外の何かに遭遇する面白さがあると思いますが、並行宇宙とのファーストコンタクトは本書の世界線やメタ的視点の読者の世界線と近くにあり過ぎてしまい、一つの面白さを欠いているよう感じられます。
しかし、ホーガンのストーリーテリングの力は衰えてはなく、次から次へと新たな問題・解決・視点などが展開される面白さは健在です。
そして、冒頭にある「収束」がきちんと結末に回収されるのもさすがです。
(Mission to Minerva by James Patrick Hogan, Copyright 2005. 2024年発行)

★★★



2026年4月9日木曜日

『エネルギー救出作戦 SFショートショート』 堀 晃

ショートショート、短編集、エッセイの3部構成。ショートショートは古臭さを否めないが、短編集は今読んでも面白い

■帯より転載
星新一氏激賞!―SF界の異才が放つ最新傑作ショートショート集
ある日、大量のウランを搭載した宇宙船が行方不明になり、地球は世界的規模のエネルギー危機におちいった……。表題作のほか、「冥王星」「安楽死星」「月へ逃げた男」など全21篇収録!

■感想
本書は、地球のエネルギーをテーマとしたショートショート12篇、太陽系を舞台とした短編8篇、永久機関に関してのエッセイ1編から構成。
第一部のショートショートは、あとがきに「万能の科学者が語り手となる古典的アナログ的構成をとった」とあるように、わざと古臭い手法を取っているようですが、さすがに、1980年発行から46年も経ると古臭さを否めません。
しかし、第二部の太陽系を舞台とした短編8篇は、これぞ堀晃というべき美しい宇宙、イマジネーションを掻き立てます。2026年現在でも十分面白いです。
第三部は、ショートショートの1篇で扱われている「永久機関」を考察したエッセイです。
(1980年発行)

★★★

2025年8月20日水曜日

『地球環』 堀 晃

喜怒哀楽のスイッチが切れているかのような淡々とした語り口に静かに嵌っていく。<情報サイボーグ>シリーズ全12篇

■帯より転載
情報サイボーグシリーズを
収録したハードSFの
名作全12篇!

■感想
「恐怖省」1970年、「地球環」1976年、「最後の接触」1976年、「骨折星雲」1978年、「宇宙猿の手」1980年、「猫の空洞」1980年、「蒼ざめた星の馬」1980年、「過去への声」1981年、「宇宙葬の夜」1981年、「虚空の噴水」1994年、「柔らかい闇」2000年、「バビロニア・ウェーブ」1977年、<情報サイボーグ>シリーズ全12篇が収録された一冊です。
最後まで読み終えた後、最初の「恐怖省」を読み直すのをお勧めします。
ちなみに、本短編集に収められている「バビロニア・ウェーブ」は「他の作家に先を越される前に、とりあえず基本的なアイデアだけでも記録に残しておこうとと思い、長篇の一場面というスタイルで発表した」と長篇『バビロニア・ウェーブ』のあとがきにも書かれているので、ぜひ長篇となった形(ため息をつくほど、深淵なる美しい宇宙が無限に広がっていくイマジネーション)も読み比べてほしいです。
(2000年10月文庫化)

★★★★★


2024年11月23日土曜日

Honda CT125・ハンターカブ: 12ヶ月点検(3回目)

購入から満4年を経過、一向に走行距離は短く、所有満足のために維持


■12ヶ月点検費用など(ご参考までに)
〇〇ホンダ(Honda二輪車正規取扱店)
預けた期間 1週間
支払総額 12,190円+消費税10%=13,409円
・12ヶ月点検費用 8,000円
・エンジンオイル(G-1 0.7L) 1,190円
・交換工賃 1,000円
・バッテリー充電 2,000円
走行距離 2,134km


2024年11月11日月曜日

『歌う船[完全版]』 アン・マキャフリー

1969年初出の作品とは思えない色褪せることない傑作。1977・1999年に追加された短編含め嶋田洋一による新訳も素晴らしい

■帯より転載
少女の心とチタン製の身体を持つ
宇宙船ヘルヴァの活躍と成長
旧版の6編に、のちに書かれた短編2編を追加収録した
歴史的傑作の新訳完全版!

■感想
帯に書かれた「短編2編を追加収録」で、サイボーグ船ヘルヴァのその後がどうしても読みたくなり手に取った次第。
「新訳完全版」の文字はなぜか読み落とし、旧訳+追加新訳2編と思い読了。
旧訳の雰囲気をそのままにシームレスに新訳し嶋田洋一の訳は上手だなと思っていたら、旧版6編も新訳されておりました。。。
読み返すと、章タイトルも変更されていました。
旧版(酒匂真理子 訳) ⇒ 新訳(嶋田洋一 訳)
歌った船 ⇒ 船は歌った
嘆いた船 ⇒ 船は悼んだ
殺した船 ⇒ 船は殺した
劇的任務 ⇒ 劇的任務
あざむいた船 ⇒ 船は欺いた
伴侶を得た船 ⇒ 船はパートナーを得た
(収録なし) ⇒ ハネムーン
(収録なし) ⇒ 船は還った
「ハネムーン」と「船は還った」は旧版6編から18年・30年後に発表されたにも関わらず、今時の冗長とした展開ではなく往年のSFらしく要所要所のみが語られ、行間を読者に委ねているようにも思えます。
蛇足ではなく、納得の2編ですので、旧版を読みヘルヴァを愛しいと思った方にはぜひ読んでほしいです。
また各章は50ページほどのなので読みやすく、SF入門にも最適です。
(THE SHIP WHO SANG/HONEY MOON/THE SHIP THAT RETURNED by Anne McCaffrey, Copyright 1969,1977,1999. 2024年発行)

★★★★


2023年11月18日土曜日

Honda CT125・ハンターカブ: 24ヶ月点検

 購入から満3年を経過したので、〇〇ホンダで24ヶ月点検。走行距離は少ないけど錆びたドライブチェーンを交換



■24ヶ月点検費用など(ご参考までに)
〇〇ホンダ(Honda二輪車正規取扱店)
預けた期間 2週間(途中で交換部品を注文したため)
支払総額 29,091円+消費税10%=32,000円
・24ヶ月点検費用 12,000円
・スーパープラグ 830円
・エンジンオイル(G-1 0.7L) 1,050円
・交換工賃 1,000円
・ブレーキオイル 1,500円
・交換工賃 5,000円
・カップCOMP,オイル 1,430円
・スクリュー,フラット 240円
・チェン,ドライブ 3,180円
・交換工賃 2,400円
・修理ケミカルアンカー 461円
走行距離 1,871km