2020年9月11日金曜日

『宇宙【そら】へ(上・下)』 メアリ・ロビネット・コワル

歴史改変SF。現代社会においても解決途中なテーマが全体を貫く

■帯より転載
ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞受賞
計算尺で挑む宇宙移民計画×リアルな人間ドラマ。
「SFは映画だけ」という方もきっと楽しめるはず。
盛岡浩之(作家)
第二次大戦後、巨大隕石の落下により、
人類は宇宙への移民を決意する・・・・・・
ハヤカワ文庫SF創刊50周年記念作品

■感想
「ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞受賞」という帯に惹かれて購入しましたが、まさかの苦手な歴史改変SF。
ストーリーテーリングは上手く、読み進めていくうちに女性主人公へ感情移入しており、エンディングでは心の中で拍手喝采してしまいました。
1950年代のifアメリカを舞台に、男性社会への女性進出や多様性の認知など現代においても未だ解決途中のテーマが全体を貫いています。
しかし、このテーマであれば、わざわざ巨大隕石を地球に落下させる必要があったのかと思うのですが、どうやら本作はシリーズものであったようで納得。
(THE CALCULATING STARS by Mary Robinette Kowal, Copyright 2018. 2020年発行)

★★★

 

■レディ・アストロノート・シリーズ(2020年9月現在、解説より転載)
・『火星のレディ・アストロノート』(中編, Copyright 2013. SFマガジン2020年10月号掲載)
・『We Interrupt This Broadcast』(短編, Copyright 2013. 未訳)
・『Rockets Red』(短編, Copyright 2015. 未訳)
・『The Phobos Experience』(短編, Copyright 2018. 未訳)
・『宇宙へ』(Copyright 2018. 2020年発行)
・『The Fated Sky』(Copyright 2018. 未訳)
・『Articulated Restraint』(短編, Copyright 2019. 未訳)
・『The Relentless Moon』(Copyright 2020. 未訳)
・『The Derivative Base』(2022年刊行予定)