2021年6月22日火曜日

『星間帝国の皇女-ラスト・エンペロー-』 ジョン・スコルジー

帝国・宇宙を舞台に二転三転と展開していく様は、まさしくスペースオペラの醍醐味。ただし、三部作の1巻のみ和訳あり、続刊は未訳なのが残念。

■裏表紙より抜粋
"インターディペンデンシー"は、異時空内の流れ"フロー"を用いた超光速航行で成立する星間帝国。しかし、47星系を結ぶ礎である、そのフローが崩壊しつつあった。若くして皇位を継いだガーデニアは権謀術数渦巻く権力争いにのみこまれていく・・・・・

■感想
プロローグの20Pを読むだけで、二転三転のドラマが展開し、思わず「さすがスコルジー、面白い」と呟いてしまいました。
宇宙・帝国・反乱・宇宙船による戦闘・ラブロマンス等これでもかと言える程詰め込みながらも、若くして皇位を継いだ皇女ガーデニアを軸に、魅力的なサブキャラクターたちがそれぞれの場所で活躍し最終ページに向けて収斂されていく様は、著者の確かな腕を感じさせます。
間違いなく良作のスペースオペラです。
伏線の多くを残したまま本書は一旦の結末を迎えますが、次巻以降を読みたいと思わせる惹きを感じさせるものであります。
(THE COLLAPSING EMPIRE by John Scalzi Copyright 2017. 2018年発行)

★★★


■インターディペンデンシー シリーズ
・『星間帝国の皇女-ラスト・エンペロー-』(Copyright 2017. 2018年発行)
・『THE CONSUMING FIRE』(Copyright 2018. 未訳)
・『THE LAST EMPEROX』(Copyright 2020. 未訳)