2026年5月28日木曜日

『神の熱い眠り』 オースン・スコット・カード

カードの原点といえる長篇。SF的要素は少なく神話的だが、後の作品『死者の代弁者』などにも通じる読後感

■裏表紙より抜粋
あらゆる苦痛が瞬時に癒され、不幸や恐怖の存在しない世界―少年レアドが暮らすその世界に突如<苦痛>が蔓延した朝、人々の前に不思議な男が現われた。男はジェイスン・ワーシング、伝説の神と同じ名の持ち主だった。

■感想
本書は、<ワーシング年代記シリーズ>の1巻です。
SF的要素は「ソメック(人工冬眠薬)」と「宇宙船」が少しばかり登場しますが、中世ヨーロッパの僻地を舞台としたような世界で、読後感は神話に近いです。
ジェイスン・ワーシングの一万五千年以上にわたる波乱の人生を、ジェイソンに語らせるのではなく、僻地の鍛冶屋の息子に夢を通じて伝達して書き留めさせる、という構造が面白さを最後まで持続させています。
また、カードの原点にあたる作品のため、後の作品のキャラクターの原型やストーリー展開を思わせる節があるのもファンとしては面白いところでもあります。
(THE WORTHING SAGA by Orson Scott Card, Copyright 1978,1979,1980,1982,1989,1990. 1995年発行)

★★★


■ワーシング年代記シリーズ
・『神の熱い眠り』(Copyright 1978,1979,1980,1982,1989,1990. 1995年発行)
・『キャピトルの物語』(Copyright 1978,1979,1980,1982,1989,1990. 1995年発行)