2020年11月30日月曜日

『大航宙時代-星海への旅立ち-』 ネイサン・ローウェル

サクサク読める少年の成長物SFだが、続刊は未訳?!

■帯より転載
ひとりの若者が
商船員をめざして
いま銀河の荒海へと
船出する!
ホーンブロワー・ファン必読!

■感想
訳者あとがきによると、本書の出自はオーディオブックであり、好評を博したため、電子書籍化、紙書籍化に至ったそうです。
少年が成長してく骨格をはじめ、テンポよく進むストーリー、順に出てくるキャラクター、課題と解決が短い章でまとまっている等、確かにドライブ中に聞くのが良さそうな内容です。
本シリーズだけでも6冊、主人公を変えたシリーズを合わせると16冊+短編2作と大長編ですが、残念ながら、1作目のみ翻訳されただけで、続刊は未訳となります。
(QUARTER SHARE by Nathan Lowell, Copyright 2007. 2014年発行)

★★


■Trader's Tales from the Golden Age of the Solar Clipper Series
《Trader Tales》
・『大航宙時代-星海への旅立ち-』(Copyright 2007. 2014年発行)
・『HALF SHARE (BOOK 2)』(Copyright 2010. 未訳)
・『FULL SHARE (BOOK 3)』(Copyright 2011. 未訳)
・『DOUBLE SHARE (BOOK 4)』(Copyright 2012. 未訳)
・『CAPTAIN’S SHARE (BOOK 5)』(Copyright 2012. 未訳)
・『OWNER'S SHARE (BOOK 6)』(Copyright 2012. 未訳)
・『QUARTER SHARE (EXCERPT)』(Copyright 2012. 未訳)
《Tales from the Deep Dark》
・『A Light in the Dark』(Copyright 2011. 未訳)
《Seeker's Tales》
・『IN ASHES BORN (BOOK 1)』(Copyright 2015. 未訳)
・『TO FIRE CALLED (BOOK 2)』(Copyright 2017. 未訳)
・『BY DARKNESS FORGED (BOOK 3)』(Copyright 2019. 未訳)
《Shaman's Tales》
・『SOUTH COAST (BOOK 1)』(Copyright 2014. 未訳)
・『CAPE GRACE (BOOK 2)』 (Copyright 2020. 未訳)
・『FINWELL BAY (BOOK 3)』(Copyright 2020. 未訳)
《Smuggler's Tales》
・『MILK RUN (BOOK 1)』(Copyright 2016. 未訳)
・『SUICIDE RUN (BOOK 2)』(Copyright 2018. 未訳)
・『HOME RUN (BOOK 3)』(Copyright 2018. 未訳)
・『EXILE』(Copyright 2016. 未訳)

2020年11月27日金曜日

『最後の帝国艦隊』 ジャスパー・T・スコット

スペースオペラ全6部の1作目だが、続刊は未訳!?

■帯より転載
恐るべき異星人から逃れ、
<暗黒星域>に隠れた
最後の人類にとって
残された道は・・・・・・!?
生き残りをかけて
力のかぎり戦え
兵士たちよ!

■感想
ポップコーンムービーのようにサクサクと読み進めていくと、全く伏線が回収されず、主人公がなぜ特別な技能を持っているか等の説明もなく、To be continued !とばかりの結末に戸惑います。
えええ?!と原題でWeb検索してみると、本作は全6部の1作目であることが判明。
しかも本作発行から5年も経過している2020年において、2作目以降は未訳のままであり、様々な伏線回収は原著を読むしかなさそうです。
(DARK SPACE by Jasper T. Scott, Copyright 2013. 2015年発行)

 ★


■DARK SPACE Series
・『A CHANCE ENCOUNTER (DARK SPACE #0.5)』(Copyright 2015. 未訳)
・『最後の帝国艦隊』(Copyright 2013. 2015年発行)
・『The INVISIBLE WAR (DARK SPACE #2)』(Copyright 2013. 未訳)
・『ORIGIN (DARK SPACE #3)』(Copyright 2013. 未訳)
・『REVENGE (DARK SPACE #4)』(Copyright 2014. 未訳)
・『AVILON (DARK SPACE #5)』(Copyright 2014. 未訳)
・『ARMAGEDDON (DARK SPACE #6)』(Copyright 2015. 未訳)

■DARK SPACE UNIVERSE Series
・『DARK SPACE UNIVERSE』(Copyright 2017, 未訳)
・『THE ENEMY WITHIN (DARK SPACE UNIVERSE #2)』(Copyright 2017, 未訳)
・『THE LAST STAND (DARK SPACE UNIVERSE #3)』(Copyright 2017, 未訳)

2020年11月25日水曜日

『レッドスーツ』 ジョン・スコルジー

『スタートレック』への愛あるオマージュ

■裏表紙より抜粋
銀河連邦の新任少尉ダールは、憧れの宇宙艦隊の旗艦に配属された。彼と新人仲間は奇妙なことに気づく。やたらと高い任務でのクルーの死亡率、絶対に死なない艦長上級士官、困ったとくに出てくる謎の箱・・・。自分たちの命を操る何者かが存在するのではないか?

■感想
『スタートレック』(1966年放映開始のSFテレビドラマ)を一度でも観たことのあるSFファンであれば、思わずニヤけてしまうのが本書です。
『スタートレック』への愛あるオマージュ、そしてメタ構造。
メタ構造は日本のジュブナイルではよくある展開ですが、そこはアメリカSF界屈指の人気作家の手に掛かると、とてつもない面白さです。
そして著者らしいロマンチックな結末にもニヤニヤ。
SFをある程度読み込んだ読者の方が、本作をより楽しめるのではないでしょうか。
(REDSHIRTS by John Scalzi, Copyright 2012. 2017年発行)

★★★★

2020年11月23日月曜日

『内なる宇宙(上・下)』 ジェイムズ・P・ホーガン

コンピュータ・ネットワーク上に生まれた何か。ホーガンの慧眼に感服

■裏表紙より抜粋
ある日突然人格が他者のものとすり替わってしまう・・・いたるところで奇異な現象が多発するジェヴレン社会に、ハント博士らは直面した。人格はコンピュータ・ネットワークを通じて別の宇宙から送り込まれてくるという。ジェヴレンを狙う”内宇宙”とは何か?

■感想
本書は14年振りに刊行された《巨人たちの星シリーズ》の4作目です。
映画『マトリックス』(監督・脚本:ウォシャウスキー姉妹, 1999年)に先駆けること8年、コンピュータ・ネットワーク上に生まれたあるものを描いています。
コンピュータ(AI)の発達により、それ自身が人格・知性を持ち始める、といった展開では全く無く、ホーガンの慧眼に感服します。
14年振りにも拘らず、物理学者ハントや生物学者ダンチェッカーの言動は変わることなく、前3部作との地続きを感じながら、若干ご都合主義が強くなった、新しい物語に入っていくことができます。
5作目にあたる『Mission to Minerva』(Copyright 2005)は未訳であり、本4作目で解決されつつ新しく提示された謎のその後が気になります。
(ENTOVERSE by James Patrick Hogan, Copyright 1991. 1997年発行)

★★★

 

2020年11月21日土曜日

Honda CT125・ハンターカブ: キーホルダー

Honda二輪車正規取扱店で注文可能。カブヌシのマストアイテム



■購入費用など(ご参考までに)
購入場所 SOX○○店
総額 715円*税込み
品名 PVCラバーキーホルダー CT125
型番 0SYEP-29H-AF

■購入方法
Honda二輪車正規取扱店にて「品名」と「型番」で注文することができます。
注文から1.5ヶ月で店舗へ納品されました。(10/3注文時点では納期未定⇒11/18受け取り)
Yahoo!ショッピング等でも購入できますが、納期に余裕が持てるのであれば、店舗への注文は送料が不要です。

■その他のオフィシャルグッズ(型番、税込み価格)

・CT125 Tシャツ レッド(0SYEP-25T-RS・M・L・XL、3,300円)
・CT125 Tシャツ サンドベージュ(0SYEP-25T-CS・M・L・XL、3,300円)
 サイズはS~XL、型番は末尾違い
・CT125 ソフトバッグ レッド(0SYEX-28P-RF、14,300円)
・CT125 ソフトバッグ グレー(0SYEX-28P-KF、14,300円)
・CT125 シェラカップ(0SYTV-29G-SF、1,980円)
※画像は『モトチャンプ2020年9月号』より転載、型番・価格はWeb調べ

2020年11月15日日曜日

『巨人たちの星』 ジェイムズ・P・ホーガン

全ての謎が解決したかのような結末だが、余韻を残す

■裏表紙より抜粋
五万年前に月面で死んだ男たちの謎、月が地球の衛星になった謎、ミネルヴァを離れたガメニアンたちの謎など、前二作の謎が見事に解き明かされる、シリーズ第3作!

■感想
本書は《巨人たちの星シリーズ》の3作目です。
ホーガン節の一つとも言える「謎を解決する直前に次の大きな謎が現れる」は、本書が前二作が繰り越した謎の解決篇の位置づけのためか、若干影を潜めます。
しかし、ストーリーテーリングは逸品で、ワクワクしながら最後のページまで捲ることができます。
作者のもう一つの特徴である「全ての謎が解決したかのような結末だが、余韻を残す=次作への展開も可能」は本作でも生きています。
三部作と思われた本シリーズは、何と14年後に4作目『内なる宇宙』(Copyright 1991, 1997年発行)が発表されるのです。
また、2作目まではその勢い(謎が謎を呼ぶ展開)で余り感じることのなかった、少し強引とも言えるSF的飛躍が本作では気になります。
(GIANT'S STAR by James Patrick Hogan, Copyright 1981. 1983年発行)

★★★

2020年11月11日水曜日

『ガニメデの優しい巨人』 ジェイムズ・P・ホーガン

ガメニアンとのファーストコンタクトから、思わぬ地球人の秘密が解き明かされていく圧巻の展開

■中表紙より抜粋
木星探査隊に向かって、宇宙の一角から未確認物体が急速に接近してきた。やがて中から姿を現したのは、二千五百年前に出発し、相対論的時差のため現代のガニメデに戻ってきたガニメアンたちだった。

■感想
本書は《巨人たちの星シリーズ》の2作目です。
前作では、その存在が語られるだけであったガメニアンが登場し、異星人とのファーストコンタクトが展開します。
題名『ガニメデの優しい巨人』の通り、ガメニアン(人)の生態やガニメデ(惑星)の歴史が紐解かれていきます。
ガメニアンの気質に関しては、太陽系におけるガニメデの位置から組み上げられており、そうかも知れないと思わされてしまいます。
さらに、地球人の驚くべき秘密も加わり、前作の謎を呼ぶ謎にまだ終わりが無かったのかという展開に、作者の想像力と読者の頭に広がっていくイメージにワクワクさせてくれます。
前作と同様、ここで終わっても良いし、次巻の布石のような結末は気持ちの良い読後感を生み出しています。
(THE GENTLE GIANTA OF GANYMEDE by James Patrick Hogan, Copyright 1978. 1981年発行)

★★★★

2020年11月9日月曜日

成田山新勝寺周辺のお勧めバイク駐車場

米屋観光センターの駐車場は、買い物をすると無料(短時間の利用)
※2020年11月の情報です。


■短時間の場合:米屋観光センター

国道51号線から新参道を北上し、成田山新勝寺の総門まで300m程度のところに「米屋観光センター」があります。
入口にはバイクの案内はありませんが、店員さんに尋ねたところ、「参拝後にお土産センターで買い物をすれば、駐車料金は無料」とのことです。
バイクが停められる場所に誘導してくれました。
「なごみの米屋」と言えば羊羹ですが、塩豆大福の3個パック(390円)がお気に入りです。

■長時間の場合:弘恵会田町駐車場

米屋観光センターからさらに新参道を進み、成田山新勝寺の総門すぐ傍(50m程度)にある駐車場が「弘恵会田町駐車場」になります。
バイクの駐車料金は1日300円です。
長時間散策するのであれば、こちらの方が気兼ねなく停めておけます。

■総門前で愛車と映える写真を

弘恵会田町駐車場から総門までは一方通行ですが「二輪・軽車両を除く」とありますので、進入可能です。
ただし、参詣客が多いときは、バイクを押して行くのが良さそうです。

2020年11月5日木曜日

『星を継ぐもの』 ジェイムズ・P・ホーガン

1980年の初版発行から38年で100刷。オールタイムベストの呼び声高い異星文明とのファーストコンタクトSF

■裏表紙より抜粋
月面で発見された真紅の宇宙服をまとった死体。彼は五万年前に死亡していたのだ!一方、木星のガニメデで、地球の物ではない宇宙船の残骸が発見される。関連は?

■感想
月で発見された〇〇・・・話の始まりや木星周辺を舞台にするあたりは、『2001年宇宙の旅』(アーサー・C・クラーク, Copyright 1968, 1977年発行)へのオマージュを感じさせますが、そんなことはアッという間に忘れてしまう程、最後の最後まで面白さが続きます。
その面白さは、小気味いいミステリーのように「謎が半分ほど解明されそうなると、それを上回る大き謎が見つかる」が繰り返されていき・・・この大風呂敷をきちんと畳めるのか心配になっていくと共に、人類がまだ到達していない月よりも遠くの星々へ思いを馳せる=どこまでも遠くに行ってみたい気持ちを空想の世界で体現させてくれます。
何からSFを読み始めてよいか悩んでいる人がいたら、本書を強くお勧めします。
王道の宇宙SF、サイエンスフィクションの妙を堪能できるはずです。
ちなみに、手元の本書を確認したところ、1998年の49版でした。
(INHERIT THE STARS by James Patrick Hogan, Copyright 1977. 1980年発行)

★★★★


■巨人たちの星シリーズ
・『星を継ぐもの』(Copyright 1977. 1980年発行)
・『ガニメデの優しい巨人』(Copyright 1978. 1981年発行)
・『巨人たちの星』(Copyright 1981. 1983年発行)
・『内なる宇宙』(Copyright 1991. 1997年発行)
・『Mission to Minerva』(Copyright 2005. 未訳)