2020年11月15日日曜日

『巨人たちの星』 ジェイムズ・P・ホーガン

全ての謎が解決したかのような結末だが、余韻を残す

■裏表紙より抜粋
五万年前に月面で死んだ男たちの謎、月が地球の衛星になった謎、ミネルヴァを離れたガメニアンたちの謎など、前二作の謎が見事に解き明かされる、シリーズ第3作!

■感想
本書は《巨人たちの星シリーズ》の3作目です。
ホーガン節の一つとも言える「謎を解決する直前に次の大きな謎が現れる」は、本書が前二作が繰り越した謎の解決篇の位置づけのためか、若干影を潜めます。
しかし、ストーリーテーリングは逸品で、ワクワクしながら最後のページまで捲ることができます。
作者のもう一つの特徴である「全ての謎が解決したかのような結末だが、余韻を残す=次作への展開も可能」は本作でも生きています。
三部作と思われた本シリーズは、何と14年後に4作目『内なる宇宙』(Copyright 1991, 1997年発行)が発表されるのです。
また、2作目まではその勢い(謎が謎を呼ぶ展開)で余り感じることのなかった、少し強引とも言えるSF的飛躍が本作では気になります。
(GIANT'S STAR by James Patrick Hogan, Copyright 1981. 1983年発行)

★★★