■中表紙より抜粋
木星探査隊に向かって、宇宙の一角から未確認物体が急速に接近してきた。やがて中から姿を現したのは、二千五百年前に出発し、相対論的時差のため現代のガニメデに戻ってきたガニメアンたちだった。
■感想
本書は《巨人たちの星シリーズ》の2作目です。
前作では、その存在が語られるだけであったガメニアンが登場し、異星人とのファーストコンタクトが展開します。
題名『ガニメデの優しい巨人』の通り、ガメニアン(人)の生態やガニメデ(惑星)の歴史が紐解かれていきます。
ガメニアンの気質に関しては、太陽系におけるガニメデの位置から組み上げられており、そうかも知れないと思わされてしまいます。
さらに、地球人の驚くべき秘密も加わり、前作の謎を呼ぶ謎にまだ終わりが無かったのかという展開に、作者の想像力と読者の頭に広がっていくイメージにワクワクさせてくれます。
前作と同様、ここで終わっても良いし、次巻の布石のような結末は気持ちの良い読後感を生み出しています。
(THE GENTLE GIANTA OF GANYMEDE by James Patrick Hogan, Copyright 1978. 1981年発行)
★★★★