2020年11月5日木曜日

『星を継ぐもの』 ジェイムズ・P・ホーガン

1980年の初版発行から38年で100刷。オールタイムベストの呼び声高い異星文明とのファーストコンタクトSF

■裏表紙より抜粋
月面で発見された真紅の宇宙服をまとった死体。彼は五万年前に死亡していたのだ!一方、木星のガニメデで、地球の物ではない宇宙船の残骸が発見される。関連は?

■感想
月で発見された〇〇・・・話の始まりや木星周辺を舞台にするあたりは、『2001年宇宙の旅』(アーサー・C・クラーク, Copyright 1968, 1977年発行)へのオマージュを感じさせますが、そんなことはアッという間に忘れてしまう程、最後の最後まで面白さが続きます。
その面白さは、小気味いいミステリーのように「謎が半分ほど解明されそうなると、それを上回る大き謎が見つかる」が繰り返されていき・・・この大風呂敷をきちんと畳めるのか心配になっていくと共に、人類がまだ到達していない月よりも遠くの星々へ思いを馳せる=どこまでも遠くに行ってみたい気持ちを空想の世界で体現させてくれます。
何からSFを読み始めてよいか悩んでいる人がいたら、本書を強くお勧めします。
王道の宇宙SF、サイエンスフィクションの妙を堪能できるはずです。
ちなみに、手元の本書を確認したところ、1998年の49版でした。
(INHERIT THE STARS by James Patrick Hogan, Copyright 1977. 1980年発行)

★★★★


■巨人たちの星シリーズ
・『星を継ぐもの』(Copyright 1977. 1980年発行)
・『ガニメデの優しい巨人』(Copyright 1978. 1981年発行)
・『巨人たちの星』(Copyright 1981. 1983年発行)
・『内なる宇宙』(Copyright 1991. 1997年発行)
・『Mission to Minerva』(Copyright 2005. 未訳)