2020年10月21日水曜日

『動乱星系』 アン・レッキー

早く続きが読みたい!同じ世界にも関わらず、前三部作から打って変わった新章開始

■帯より転載
星雲賞・ヒューゴー賞・ネビュラ賞など全世界13冠
終身流刑囚の脱獄と隣国有力者の殺人事件。
特異な文化を持つ辺境の小惑星国家で、
異星種族をも巻き込む一色即発の事態が!
《叛逆航路》ユニバース新章

■感想
前三部作と同じ世界にも関わらず、三人称の代名詞が全て「彼女」で語られるというジェンダーを曖昧に・読者の想像に委ねるという手法を止め、一人の少女を主人公とした冒険譚の幕が上がります。
読み始めの時点で、前作までのラドチ:性を区別しない社会(国家)から、ラドチに統括されていない周辺社会(国家)に舞台が移ったことを否応なく意識させられ、期待感が募ります。
そして、主人公イングレイの冒険は、10P読むごとに大なり小なりのアクシデントが現れる=ページを次々とめくるように仕掛けられており、読了後は「早く続きが読みたい!」と思わせる著者の技量に舌を巻きます。
しかし、本国でも次作は発表されていないので、首を長くして待つことになるようです。
(PROVENANCE by Ann Leckie, Copyright 2017. 2018年発行)

★★★★