2020年10月10日土曜日

『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン

SFの教科書の一つ。主人公が逆境=冬を乗り越え、「夏への扉」を開く爽快感

■裏表紙より抜粋
最愛の恋人には裏切られ、仕事は取りあげられ、生命から二番めに大切な発明さえ騙しとられてしまった・・・ぼくの心を冷凍睡眠保険がとらえたのだが・・・巨匠の傑作長篇

■感想
ジュブナイル、ライトノベルの源流とも言える、主人公の飼い「猫」ピート、11歳の「ヒロイン」リッキイ、現代と未来を行き来する「時間旅行」、そして「Boy Meets Girl」がお手本のように描かれています。
1950年代の作品とあって、冷凍睡眠、文化女中器(掃除ロボット)、護衛官ピート(全目的ロボット)、製図機ダンなど登場するギミックの古さは否めませんが、主人公が逆境=冬を乗り越え、夏への扉を開く(読了後の)爽快感は普遍的な面白さがあります。
主人公が夏への扉を探していた日が、1970年12月3日。
1日前であれば、自身の誕生日と同じで、SFファンとしては喜ばしかったのですが。
(THE DOOR INTO SUMMER by Robert A. Heinlein, Copyright 1957. 1979年発行)

★★★★