■裏表紙より抜粋
50人の男女を乗せ、32光年彼方のおとめ座ベータ星第三惑星をめざして飛びたった恒星船。だが不測の事態が発生する。亜高速の船を止めることもできず、彼らはもはや大宇宙を果てしなく飛び続けるしかないのだろうか・・・?
■感想
50年前の作品とは思えない面白さ、裏表紙に書かれた「現代SF試乗に一時代を画したハードSFの金字塔」は偽りではありません。
常時加速を続けている宇宙船の減速装置が故障したとき、何が起こるのか?
止まれなくなった宇宙船は限りなく光速に近づくが、決して光速を超えることなく、極限まで光速に近づいていく。
太陽系・銀河系・おとめ座超銀河団・・・、100年・1万年・1億年・・・、空間と時間の永遠とも思われる広がり(スケール)は、到底、映像では表現できるものではありません。
小説でしか堪能することができないイマジネーションの行きつく先は、読者の想像力の極限に迫ります。
(TAU ZERO by Poul Anderson, Copyright 1970. 1992年発行)
★★★★★