2020年10月21日水曜日

『動乱星系』 アン・レッキー

早く続きが読みたい!同じ世界にも関わらず、前三部作から打って変わった新章開始

■帯より転載
星雲賞・ヒューゴー賞・ネビュラ賞など全世界13冠
終身流刑囚の脱獄と隣国有力者の殺人事件。
特異な文化を持つ辺境の小惑星国家で、
異星種族をも巻き込む一色即発の事態が!
《叛逆航路》ユニバース新章

■感想
前三部作と同じ世界にも関わらず、三人称の代名詞が全て「彼女」で語られるというジェンダーを曖昧に・読者の想像に委ねるという手法を止め、一人の少女を主人公とした冒険譚の幕が上がります。
読み始めの時点で、前作までのラドチ:性を区別しない社会(国家)から、ラドチに統括されていない周辺社会(国家)に舞台が移ったことを否応なく意識させられ、期待感が募ります。
そして、主人公イングレイの冒険は、10P読むごとに大なり小なりのアクシデントが現れる=ページを次々とめくるように仕掛けられており、読了後は「早く続きが読みたい!」と思わせる著者の技量に舌を巻きます。
しかし、本国でも次作は発表されていないので、首を長くして待つことになるようです。
(PROVENANCE by Ann Leckie, Copyright 2017. 2018年発行)

★★★★

2020年10月20日火曜日

『月は無慈悲な夜の女王』 ロバート・A・ハインライン

7月4日はアメリカ独立宣言の日、どう捉えているかによって本作の位置づけも大きく変わる

■裏表紙より抜粋
2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した!だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、強大な地球に立ち向かうためには・・・

■感想
1776年7月4日のアメリカ独立宣言からちょうど300年後が舞台です。
この7月4日が本作のミソであり、アメリカ人であれば、地球から月世界の独立とイギリスからアメリカの独立が自然と重なって、気持ちが昂る仕組みとなっています。
しかし、アメリカ人でなくても、最終章における月世界の独立の可否は十分にカタルシスが得られます。
邦題のセンスが素晴らしく、40年以上経た今でも想像力を描き立たせます。
(THE MOON IS A HARSH MISTRESS by Robert A. Heinlein, Copyright 1966. 1976年発行)

★★★

2020年10月10日土曜日

『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン

SFの教科書の一つ。主人公が逆境=冬を乗り越え、「夏への扉」を開く爽快感

■裏表紙より抜粋
最愛の恋人には裏切られ、仕事は取りあげられ、生命から二番めに大切な発明さえ騙しとられてしまった・・・ぼくの心を冷凍睡眠保険がとらえたのだが・・・巨匠の傑作長篇

■感想
ジュブナイル、ライトノベルの源流とも言える、主人公の飼い「猫」ピート、11歳の「ヒロイン」リッキイ、現代と未来を行き来する「時間旅行」、そして「Boy Meets Girl」がお手本のように描かれています。
1950年代の作品とあって、冷凍睡眠、文化女中器(掃除ロボット)、護衛官ピート(全目的ロボット)、製図機ダンなど登場するギミックの古さは否めませんが、主人公が逆境=冬を乗り越え、夏への扉を開く(読了後の)爽快感は普遍的な面白さがあります。
主人公が夏への扉を探していた日が、1970年12月3日。
1日前であれば、自身の誕生日と同じで、SFファンとしては喜ばしかったのですが。
(THE DOOR INTO SUMMER by Robert A. Heinlein, Copyright 1957. 1979年発行)

★★★★

2020年10月9日金曜日

『星群艦隊』 アン・レッキー

SFならではの面白さに加え、性別・人種・宗教・職業・家柄・人類/非人類などの意味を突き付ける2010年代のベストSF!

■帯より転載
星雲賞・ヒューゴー賞・ネビュラ賞など
シリーズ計12冠達成!
『叛逆航路』三部作完結!
本格宇宙SFのニュー・スタンダード

■感想
「面白かった。もう読み終わってしまった・・・」大満足の三部作でした。
SFならではの面白さ=宇宙・戦艦・ステーション・未来・AIなど王道的なギミックが世界観を構築する中、SFでしか描ききれないテーマ=性別・人種・宗教・職業・家柄・人類/非人類など意味を読者に突き付けてくる、本格SFのニュー・スタンダードと言って過言ではありません。
三人称の代名詞が全て「彼女」で語られる(原著ではShe,Her)、主人公のブレクは宇宙戦艦のAIであり、その人格を4,000人の肉体に同時並行に共有する「属躰」という存在であった・・・「彼女」と「属躰」という本三部作ならではのギミックが今までに読んだことのない新しい体験への興奮と読了後の満足感を与えてくれています。
同時収録されている、シリーズの前日譚である『主の命に我従はん』も著書ならではの味わい深い短編です。
(ANCILLARY MERCY and SHE COMMANDS ME AND I OBEY by Ann Leckie, Copyright 2014, 2015. 2016年発行)

★★★★★

2020年10月8日木曜日

『亡霊星域』 アン・レッキー

嵐の前の静けさか。舞台はアソエク星系にほぼ限定されるが、第3部に向けて世界観・テーマは深化する

■帯より転載
ヒューゴー賞・ネビュラ賞など
シリーズ計9冠受賞!
『叛逆航路』第2部
本格宇宙SFのニュー・スタンダード

■感想
かつては宇宙戦艦のAIかつ複数の肉体を持つ存在であったが、今はただ一つの肉体しか持たない「属躰」の主人公ブレク。
大切にしていた人の妹が住むアソエク星系に艦隊司令官として赴任し、星系を守るために敵対勢力に挑む・・・。
第1部が復讐劇として動きがあるのに比べ、第2部は舞台はアソエク星系にほぼ限定され密室劇・知恵比べ・サスペンスのような面白さです。
副官として新規乗船したティルサルワットの正体が明かされる序盤含め、蛮族プレスジャーの登場など、舞台が限定されているにも関わらず、その世界観はより広がっていきます。
邦題に関しての補足。
『年間日本SF傑作選 虚構機関』(2008年12月発行)の序文(大森 望)に、<漢字四文字は創元SF文庫の勝負作の基本>との記載を見つけ、本シリーズの不可解な邦題がやっと腑に落ちた次第です。
(ANCILLARY SWORD by Ann Leckie, Copyright 2014. 2016年発行)

★★★★

2020年10月6日火曜日

Honda CT125・ハンターカブ: 実燃費

さすがカブ!実燃費は51.8km/L


■実燃費など
実燃費 51.8km/L
初回給油時からの走行距離 212.4km
給油量 4.1L
総走行距離 255km(39日目)
メーター内にある燃料計マーク(6メモリ)が1つ(点灯)になったので給油しました。
ほぼ街乗りで実燃費が50km/L以上を計測したので、お財布にはとても優しいです。
『OWNER'S MANUAL』に<マークが1つ(E)だけ点滅したときの燃料残量:約1.1L>の記載がありましたので、次回給油は点滅時にしようと思います。
ちなみに計算上は、満タンで約275km走れることになります。

■スペック(パンフレットより転載)
燃料消費率:
・国土交通省届出値:定地燃費値 61.0km/L(2名乗車時)
・WMTCモード値 67.2km/L(1名乗車時)
燃料タンク容量:5.3L

2020年10月4日日曜日

『叛逆航路』 アン・レッキー

フィリップ・K・ディックを思い出させる衝撃。三人称の代名詞が全て「彼女」で語られる・AIの肉体として同時並行に複数体存在する「属躰」・・・読み手により全く違う登場人物をイメージしているSFならではの読書体験

■帯より転載
「ニューロマンサー」を超える快挙!
デビュー長編にして7冠受賞!
ヒューゴー賞/ネビュラ賞
クラーク賞/英国SF協会賞
ローカス賞/英国幻想文学大賞/キッチーズ賞
自分自身すら失っても
“わたし”は戦い続ける
“彼女”のためにー
本格宇宙SFのニュー・スタンダード登場!

■感想
2010年代のベストSF!と言っても過言ではありません。
フィリップ・K・ディック作品を読んだ時の独特な違和感、「一体、何を読まされているのだろうか?」を久々に感じることができました。
三人称の代名詞が全て「彼女」で語られる(原著ではShe,Her)ことに最初は違和感を感じますが、読み進めていくうちに、主人公を含めた登場人物全ての性別・容姿が分からない=読み手が勝手に想像しているだけ=読み手が変われば想像している登場人物の造形が全く違うのではないか!と分かった時の衝撃は初読から5年経た今も変わりありません。
そして、主人公のブレクは宇宙戦艦のAIであり、その人格を4,000人の肉体に同時並行に共有する「属躰」という存在です。
まさしくユビキタス(遍在する・あらゆるところにある)であり、主人公の視点が同時並行に複数視点で無理なく語られていくのが、もう一つの面白さとなっています。
「彼女」と「属躰」と言うギミックを土台に、ブレクが戦艦も大切な人も失い、ただ一人の属躰として復讐を誓う・・・ストーリーも骨太であり、SFならではの面白さを堪能できます。
ただし、題名の翻訳は無理やり四文字熟語にしなくても良かったかと思います。
原題『ANCILLARY JUSTICE』の直訳「属躰の正義」の方が本書のテーマに沿っている感じがします。
以降の巻の邦題も同様に、無理やり感は否めません。
(ANCILLARY JUSTICE by Ann Leckie, Copyright 2013. 2015年発行)

★★★★★


■叛逆航路シリーズ(2020年10月現在)
・『叛逆航路』(Copyright 2013. 2015年発行) ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞
・『亡霊星域』(Copyright 2014. 2016年発行) ローカス賞
・『星群艦隊』(Copyright 2015. 2016年発行) ローカス賞
・『動乱星系』(Copyright 2017. 2018年発行)

2020年10月3日土曜日

Honda CT125・ハンターカブ: 初回点検

新車購入時から1ヶ月または1,000km走行時


■初回点検費用など(ご参考までに)
SOX○○店
所要時間 約30分
支払総額 2,200円*税込み
・初回点検費用 無料
・オイル交換(工賃含む) 2,200円

■補足
購入から約1ヶ月後(走行距離244km)に初回点検を購入店で実施。
併設の「2りんかん」にて、Honda純正オイル・ウルトラG2 10W-30が1,320円(税込み)で販売されていたので、工賃込みで+900円なら、とオイル交換も依頼。
点検結果は特に問題なしでしたが、「オイル交換の際、鉄粉が若干まだ残っているような感じがあるので、1,000km走行後にもう一度オイル交換をしてください」とのことでした。
なぜかメンテナンスノートではなく、他車の用紙コピーに点検結果が記入されて渡されたのはご愛敬。

■オイルフィルターが無い!
CT125・ハンターカブ(カブ全般)には、オイルフィルターが無いことを初めて知りました。

■エンジオイル(OWNER'S MANUALより転載)
推奨エンジンオイル:Honda純正オイル・ウルトラG1
相当品の場合:
・JASO T 903規格 MA
・SAE規格 10W-30
・API分類 SG・SH・SJ・SL級相当
容量:
・オイル交換時 0.7L
・全容量 0.9L
交換時期:
・初回 1,000kmまたは1ヶ月
・以後 3,000kmまたは1年ごと