全5巻の内1・2巻のみ和訳され、これからやっとSFらしくなるかも知れない3巻以降は未訳という生殺し
■帯より転載
兄弟とともに花嫁を探せとのお告げを受けた少年ニャーファイは、独裁者ムウズーの侵略に揺れる都市バシリカを訪れた。そのお告げに隠された、コンピューターの真の思惑とは?
■感想
本作は《帰郷を待つ星シリーズ》全5巻の2巻目で、起承転結の承にあたります。
次巻の題名は『THE SHIPS OF EARTH』であり、宇宙船的な物が登場しやっとSFらしくなりそうな予感がしますが、3~5巻は未訳のため、モルモン経典を下敷きとしたファンタジーのまま、生殺しとなります。
本作のクライマックスの展開は、それまでの伏線回収も含め、さすかカードというものです。
主人公ニャーファイと兄エルイェマークと幻視者リューエットの造形・関係性が、『エンダーのゲーム』(Copyright 1985. 1987年発行)におけるエンダーと兄ピーターと姉ヴィッキンに既視感を覚えるところです。
(THE CALL OF EARTH by Orson Scott Card, Copyright 1993. 1996年発行)
★★★