2020年12月17日木曜日

『友なる船』 マキャフリー&ボール

1作目から約200年後を舞台に新たなヒロインが宇宙を駆け巡る

■裏表紙より抜粋
いよいよ今日が初飛行の船、ナンシア。不安いっぱいの彼女にさっそくさっそく5人の若者が乗り込んできた。みな新卒で華族と呼ばれる良家の出。なのに彼らの会話は尋常ではない。欲に目がくらみ、何やら企んでいるやくざな連中だった。

■感想
本作は《歌う船シリーズ》の2作目(日本語版は4作目として出版)であり、原作者アン・マキャフリーとマーガレット・ボールの共著となります。
1作目から約20年後に出版された続巻になり(物語上では1作目から●年後の未来)、様々なギミックはバージョンアップ、主人公も新たになっていますが、骨子となる「金属の殻の中に脳を収め、神経の一本一本を制御装置に繋げられ、チタニウムの身体=宇宙船を操る、サイボーグ船の乙女」は変わらず、物語の情感を高めています。
確かな骨子のため、十分に面白いのですが、20年振りなのか共著のためなのか、切なすぎるロマンチックさは少し1作目に軍配が上がります。
(PARTNERSHIP by Anne McCaffrey & Margaret Ball, Copyright 1992. 1995年発行)

★★★