2020年12月19日土曜日

『帰郷を待つ星 地球の記憶』 オースン・スコット・カード

モルモン経典を下敷きとしたファンタジー

■帯より転載
故郷の星を忘れた人々
コンピューターが統括する植民惑星に生きる人類を描く、人気作家カードの新たなる未来史!

■感想
帯には「コンピューターが統括する植民惑星」とありますが、本書はSF的なガジェットは皆無であり、コンピュータの声は人々には神の声と認識されており、世界観・言動は中世ヨーロッパをイメージさせるほぼほぼファンタジーと言っても過言ではありません。
1992年は本書に加え、モルモン教徒の一家に起こる奇妙な出来事を描いた『消えた少年たち』が上梓されおり、モルモン教が作者に大きな影響を与えているであろうと推測されます。
唐突感のある神(コンピュータ)の介在はあるものの、著者の圧倒的なストーリーテーリングを楽しむことができます。
(THE MEMORY OF EARTH by Orson Scott Card, Copyright 1992. 1994年発行)

★★



■帰郷を待つ星シリーズ
・『帰郷を待つ星 地球の記憶』(Copyright 1992. 1994年発行)
・『帰郷を待つ星 地球の呼び声』(Copyright 1993. 1996年発行)
・『THE SHIPS OF EARTH』(Copyright 1994. 未訳)
・『EARTHFALL』(Copyright 1995. 未訳)
・『EARTHBORN』(Copyright 1995. 未訳)