カブとしては高目ですが、ABS等充実の装備と唯一無二のデザインで納得の価格
■購入店舗・費用(ご参考までに)
SOX○○店
支払総額(乗り出し価格) 440,000円*税込み
・車体本体価格 362,728円
・Hondaコミューター盗難補償付帯サービス2年間プランへ変更 4,720円
・販売証明書 3,000円
・納車整備料 18,000円
・自賠責保険料(60ヶ月) 14,380円*非課税
・値引き -1,520円
・消費税 38,692円
※平日納車キャンペーン特典「バイクカバー」付き
盗難補償を2年に延長の上、メーカー希望小売価格(消費税込み)440,000円と同額の乗り出し価格にしてもらえたので、とても満足しております。
ナンバーは自分で市役所に行って取得し、節約しています。
■Hondaコミューター盗難補償付帯サービス
https://www.honda.co.jp/HMJ/campaign/theft/
Honda二輪車正規取扱店で購入した原付一種又は原付二種の新車には盗難補償1年分が無償で付いてくる、2020年4月より開始されたサービス。
追加費用を支払うことで、補償を2年に延長することが可能です。
詳細はHondaのWebsite(上記URL)を参照ください。
当初は、純正品のアラームとインジゲーターランプ(工賃込みで約2万円)の追加を検討していました。
しかし、「盗難犯の技術を持ってすれば容易にアラームの配線を切ることができるのではないか。予算の都合でアラームと盗難補償のどちらかであれば補償が良いのでは」との考えに至り、盗難補償を延長した次第です。
2020年8月30日日曜日
2020年8月29日土曜日
Honda CT125・ハンターカブ: 納車
まさに一目惚れ!予約から焦らしに焦らされた半年間、遂に納車
■購入経緯
・2019年10月: 「第46回東京モーターショー2019」にてコンセプトモデルが発表され、一目惚れ
・2020年1月: 6月頃発売、赤とベージュの2色有りとの情報で、購入意欲が高まる
・2月: 購入を迷っている内に先行予約をし忘れる
・3月: どうしても欲しくなり、先行予約分がある店舗を探しまくる
・3月中旬: SOX〇〇店にて先行予約分(赤色)の枠を見つけ、即予約。販売価格は未定だが、本体価格税込み40万円程度(希望小売価格から4万円引き)になるのではとのこと
・5月: Hondaのリリースで生産が遅れていることを知り、Honda Dreamではないので初期ロットで入手できないことを覚悟
・6/26: CT125・ハンターカブ発売日
・7月中旬: 店舗に確認したところ「BO(納期未回答)」
・8月上旬: 店舗⇒本社⇒Hondaへ納期を確認してもらう
・8月下旬: 店舗より「8月末に店舗へ配送予定」との連絡あり。ヒャッハー!
・8月末: 納車
■余談
SOX全店舗で120台近くのCT125・ハンターカブを先行予約したそうですが、8月末時点で30台程度しか配車されていないそうです。
かなりラッキーだった模様。
■車歴
・1992: Kawasaki CS250(銀)
・1993: Yamaha SRX-6(銀)
・1996: Yamaha XS650 SPECIAL(黒)
・1996: Yamaha XJR1200(黒)
・1999: Yamaha SR500(黒)
・2006: BMW R1150R Rockster(オレンジ)
・2007: BMW R1150R Roadster(銀)
・2013: KTM 125Duke(オレンジ)
・2020: Honda CT125・ハンターカブ(グローイングレッド)
■購入経緯
・2019年10月: 「第46回東京モーターショー2019」にてコンセプトモデルが発表され、一目惚れ
・2020年1月: 6月頃発売、赤とベージュの2色有りとの情報で、購入意欲が高まる
・2月: 購入を迷っている内に先行予約をし忘れる
・3月: どうしても欲しくなり、先行予約分がある店舗を探しまくる
・3月中旬: SOX〇〇店にて先行予約分(赤色)の枠を見つけ、即予約。販売価格は未定だが、本体価格税込み40万円程度(希望小売価格から4万円引き)になるのではとのこと
・5月: Hondaのリリースで生産が遅れていることを知り、Honda Dreamではないので初期ロットで入手できないことを覚悟
・6/26: CT125・ハンターカブ発売日
・7月中旬: 店舗に確認したところ「BO(納期未回答)」
・8月上旬: 店舗⇒本社⇒Hondaへ納期を確認してもらう
・8月下旬: 店舗より「8月末に店舗へ配送予定」との連絡あり。ヒャッハー!
・8月末: 納車
■余談
SOX全店舗で120台近くのCT125・ハンターカブを先行予約したそうですが、8月末時点で30台程度しか配車されていないそうです。
かなりラッキーだった模様。
■車歴
・1992: Kawasaki CS250(銀)
・1993: Yamaha SRX-6(銀)
・1996: Yamaha XS650 SPECIAL(黒)
・1996: Yamaha XJR1200(黒)
・1999: Yamaha SR500(黒)
・2006: BMW R1150R Rockster(オレンジ)
・2007: BMW R1150R Roadster(銀)
・2013: KTM 125Duke(オレンジ)
・2020: Honda CT125・ハンターカブ(グローイングレッド)
2020年8月27日木曜日
Honda CT125・ハンターカブ: ナンバー取得
原付2種のナンバーは、市役所にて自分で取得すると経済的
■取得費用は販売証明書代(3,000円)のみ
第2種原動機付自転車(原付2種)のナンバーは、市役所等へ下記書類等を持参すれば、自分で簡単に取得できるので、出費を抑えることができます。
・販売証明書
・印鑑
・本人確認書類(免許証等の身分証)
市役所でのナンバー発行費用等はありませんでした。
販売証明書は購入店で発行してくれます。(SOX〇〇店では3,000円)
購入店にナンバー取得を依頼すると1万円程度掛かるので、費用対効果を考えると自分で取得するのがお勧めです。
※上記は購入店の場合であり、個人売買・譲渡(ナンバー有り)の場合は「現在付いているナンバー、標識交付証明書、譲渡証明書、印鑑本人、本人確認書類」が必要です。
ナンバーが無い場合は「譲渡証明書、印鑑本人、本人確認書類」となります。
■希望ナンバーは?
自動車は希望番号申込サービスで好きな四桁を選ぶことができますが、自動二輪車ではできません。
ネットで検索すると、原付や原付2種等の市役所で発行される場合は、担当者によっては近い番号があれば融通してくれるかも、という情報が散見されます。
そこで、並んでいる人もいなかったので、私もダメ元で窓口にて希望の四桁を告げててみました。
すると、ナンバーがストックされている棚を調べてくれるのではないですか。
期待が募った瞬間、担当者が手を交差させて×のサイン。。。
お手すきの際に、たまたま対応してくれたかと思いますが、ご参考までに。
■取得費用は販売証明書代(3,000円)のみ
第2種原動機付自転車(原付2種)のナンバーは、市役所等へ下記書類等を持参すれば、自分で簡単に取得できるので、出費を抑えることができます。
・販売証明書
・印鑑
・本人確認書類(免許証等の身分証)
市役所でのナンバー発行費用等はありませんでした。
販売証明書は購入店で発行してくれます。(SOX〇〇店では3,000円)
購入店にナンバー取得を依頼すると1万円程度掛かるので、費用対効果を考えると自分で取得するのがお勧めです。
※上記は購入店の場合であり、個人売買・譲渡(ナンバー有り)の場合は「現在付いているナンバー、標識交付証明書、譲渡証明書、印鑑本人、本人確認書類」が必要です。
ナンバーが無い場合は「譲渡証明書、印鑑本人、本人確認書類」となります。
■希望ナンバーは?
自動車は希望番号申込サービスで好きな四桁を選ぶことができますが、自動二輪車ではできません。
ネットで検索すると、原付や原付2種等の市役所で発行される場合は、担当者によっては近い番号があれば融通してくれるかも、という情報が散見されます。
そこで、並んでいる人もいなかったので、私もダメ元で窓口にて希望の四桁を告げててみました。
すると、ナンバーがストックされている棚を調べてくれるのではないですか。
期待が募った瞬間、担当者が手を交差させて×のサイン。。。
お手すきの際に、たまたま対応してくれたかと思いますが、ご参考までに。
2020年8月26日水曜日
『バラヤー内乱』 ロイス・マクマスター・ビジョルド
圧巻のストーリーテリング。後半は手に汗握る怒涛の展開
■裏表紙より抜粋
幼年皇帝の摂政として惑星国家の統治を委ねられた退役、退役提督アラール。だが、首都は制圧され、この辺境の星は未曽有の窮地に立たされる。アラールの妻コーデリアは五歳の皇帝を預かり、辺境の山中へ逃れるが・・・・・・。
■感想
本書は《ヴォルコシガン・サーガ》の7作目、シリーズ主人公となるマイルズの誕生前夜の激動が描かれています。
マイルズの母となるコーデリア・ヴォルコシガンを軸とした物語であり、最先端のベータから辺境惑星バラヤー、軍人から摂政妃、独身から結婚・妊娠など様々な変化が彼女に起こる様、彼女の心の機微が描かれ、読者に異世界体験を追従させてくれます。
そして夫であるバラヤーの摂政アラール・ヴォルコシガンの身に起こるクーデーターからの展開は怒涛の如くです。
最終章はカーテンコールのように、十二分に余韻を噛みしめることができます。
(BARRAYAR by Lois McMaster Bujold, Copyright 1991. 2000年発行)
★★★

■裏表紙より抜粋
幼年皇帝の摂政として惑星国家の統治を委ねられた退役、退役提督アラール。だが、首都は制圧され、この辺境の星は未曽有の窮地に立たされる。アラールの妻コーデリアは五歳の皇帝を預かり、辺境の山中へ逃れるが・・・・・・。
■感想
本書は《ヴォルコシガン・サーガ》の7作目、シリーズ主人公となるマイルズの誕生前夜の激動が描かれています。
マイルズの母となるコーデリア・ヴォルコシガンを軸とした物語であり、最先端のベータから辺境惑星バラヤー、軍人から摂政妃、独身から結婚・妊娠など様々な変化が彼女に起こる様、彼女の心の機微が描かれ、読者に異世界体験を追従させてくれます。
そして夫であるバラヤーの摂政アラール・ヴォルコシガンの身に起こるクーデーターからの展開は怒涛の如くです。
最終章はカーテンコールのように、十二分に余韻を噛みしめることができます。
(BARRAYAR by Lois McMaster Bujold, Copyright 1991. 2000年発行)
★★★
2020年8月25日火曜日
Honda CT125・ハンターカブ: 取扱説明書
納車が待ちきれないので、OWNER'S MANUAL(取扱説明書)をDLしてイメージトレーニング
■OWNER'S MANUAL
https://www.hondamotopub.com/HMJ/
HondaのWebsite(上記URL)にて、排気量>125cc以下、モデル名>CT125・ハンターカブを選択すると、OWNER'S MANUAL(取扱説明書)のPDFを閲覧・DLすることができます。
■パーツカタログ: 1版
https://www.hondamotopub.com/HMJ/
排気量>125cc以下、モデル名>CT125を選択すると、パーツカタログのPDFを閲覧・DLすることができます。
なぜか、取説は「CT125・ハンターカブ」、カタログは「CT125」を選択です。
■PRESS INFORMATION
https://www.honda.co.jp/factbook/motor/CT125/202003/
2020年3月にリリースされたPRESS INFORMATION(製品説明書)のPDFを閲覧・DLすることができます。
■OWNER'S MANUAL
https://www.hondamotopub.com/HMJ/
HondaのWebsite(上記URL)にて、排気量>125cc以下、モデル名>CT125・ハンターカブを選択すると、OWNER'S MANUAL(取扱説明書)のPDFを閲覧・DLすることができます。
■パーツカタログ: 1版
https://www.hondamotopub.com/HMJ/
排気量>125cc以下、モデル名>CT125を選択すると、パーツカタログのPDFを閲覧・DLすることができます。
なぜか、取説は「CT125・ハンターカブ」、カタログは「CT125」を選択です。
■PRESS INFORMATION
https://www.honda.co.jp/factbook/motor/CT125/202003/
2020年3月にリリースされたPRESS INFORMATION(製品説明書)のPDFを閲覧・DLすることができます。
2020年8月21日金曜日
『自由軌道』 ロイス・マクマスター・ビジョルド
山場に次ぐ山場でぐいぐいと最後まで引っ張られる、(良い意味での)オーソドックスなSF作品
■帯より転載
ネビュラ賞受賞宇宙SF
バイオテクノロジーが産んだ新しい子どもたち
一世一代の脱出計画は成功するか?
■感想
本書は《ヴォルコシガン・サーガ》の2作目ですが、シリーズ主人公のマイルズ誕生のほぼ200年前の物語であり、マイルズやその周辺人物は登場しません。
無重力環境下の労働力として、足の代わりにもう一組の手を持つ「クァディー(四つ手)」が辺境の惑星の研究衛星上で創造された。
その数は約1,000人、しかし、次世代技術の開発により時代遅れとなったクァディーたちの破棄命令が下されます。
クァディーたちの新任教育担当者は反旗を翻し、脱出計画を企てます。
本作を象徴するクァディーは、アニメ『機動戦士ガンダム』(1979年)にて、ジオングを前にしたシャアと整備士の会話「足は付いていない」「あんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ」を思い出させます。
山場に次ぐ山場でぐいぐいと最後まで引っ張られる、(良い意味での)オーソドックスなSF作品です。
(FALLING FREE by Lois McMaster Bujold, Copyright 1987. 1991年発行)
★★★

■帯より転載
ネビュラ賞受賞宇宙SF
バイオテクノロジーが産んだ新しい子どもたち
一世一代の脱出計画は成功するか?
■感想
本書は《ヴォルコシガン・サーガ》の2作目ですが、シリーズ主人公のマイルズ誕生のほぼ200年前の物語であり、マイルズやその周辺人物は登場しません。
無重力環境下の労働力として、足の代わりにもう一組の手を持つ「クァディー(四つ手)」が辺境の惑星の研究衛星上で創造された。
その数は約1,000人、しかし、次世代技術の開発により時代遅れとなったクァディーたちの破棄命令が下されます。
クァディーたちの新任教育担当者は反旗を翻し、脱出計画を企てます。
本作を象徴するクァディーは、アニメ『機動戦士ガンダム』(1979年)にて、ジオングを前にしたシャアと整備士の会話「足は付いていない」「あんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ」を思い出させます。
山場に次ぐ山場でぐいぐいと最後まで引っ張られる、(良い意味での)オーソドックスなSF作品です。
(FALLING FREE by Lois McMaster Bujold, Copyright 1987. 1991年発行)
★★★
ラベル:
★★★,
1980年代,
SF,
ネビュラ賞,
ロイス・マクマスター・ビジョルド
2020年8月20日木曜日
『世界を変える日に』 ジェイン・ロジャーズ
主人公ジェシー(10代女性)と同じ性別か・年代・親子によって受け取り方が全く変わるであろう作品
■裏表紙より抜粋
バイオテロのため、子どもがもはや生まれなくなる疫病に世界じゅうが感染してしまった。十六歳のジェシーは慣れ親しんだ世界の崩壊を目撃する。彼女の父親ら研究者は治療開発に取り組むが、かろうじて見出されたワクチンには大きな問題があった。それを知った彼女がくだした決断とは・・・・・・。
■感想
訳者あとがきに紹介されている、著者が本作に込めたテーマ「勇敢な少女と、その英雄的行為が周囲に与える影響」と「子どもが人生で初めて真剣に親に反抗し、個人となる瞬間」は十分に感じることができます。
誰しもが10代の頃に持っていた・夢想していたであろう「世界を変えることができるかもしれないレベルの何でもできる感」を思い出させます。
主人公ジェシーのまっすぐな思いは、読み手の性別・年代などによって大きく異なってくるかと思います。
ただしそのまっすぐな思いは、新興宗教にはまり冷静な判断ができなくなってしまっているかにも感じられ、読了後も違和感が残りました。
また、「バイオテロにより新しい子どもが生まれなくなる」という社会背景(設定)のみが唯一のSF的要素であるため、SFとしての面白さは皆無に近いです。
著者が描きたいテーマのために、逆説的にSF的な社会背景が設定されたような気がします。
(THE TESTAMENT OF JESSIE LAMB by Jane Rogers, Copyright 2011. 2013年発行)
★

■裏表紙より抜粋
バイオテロのため、子どもがもはや生まれなくなる疫病に世界じゅうが感染してしまった。十六歳のジェシーは慣れ親しんだ世界の崩壊を目撃する。彼女の父親ら研究者は治療開発に取り組むが、かろうじて見出されたワクチンには大きな問題があった。それを知った彼女がくだした決断とは・・・・・・。
■感想
訳者あとがきに紹介されている、著者が本作に込めたテーマ「勇敢な少女と、その英雄的行為が周囲に与える影響」と「子どもが人生で初めて真剣に親に反抗し、個人となる瞬間」は十分に感じることができます。
誰しもが10代の頃に持っていた・夢想していたであろう「世界を変えることができるかもしれないレベルの何でもできる感」を思い出させます。
主人公ジェシーのまっすぐな思いは、読み手の性別・年代などによって大きく異なってくるかと思います。
ただしそのまっすぐな思いは、新興宗教にはまり冷静な判断ができなくなってしまっているかにも感じられ、読了後も違和感が残りました。
また、「バイオテロにより新しい子どもが生まれなくなる」という社会背景(設定)のみが唯一のSF的要素であるため、SFとしての面白さは皆無に近いです。
著者が描きたいテーマのために、逆説的にSF的な社会背景が設定されたような気がします。
(THE TESTAMENT OF JESSIE LAMB by Jane Rogers, Copyright 2011. 2013年発行)
★
ラベル:
★,
2010年代,
SF,
ジェイン・ロジャーズ
2020年8月19日水曜日
『わたしはロボット』 アイザック・アシモフ
SFの原点。以降のSFに登場する全てのロボットを定義してしまった《ロボット工学の三原則》
■裏表紙より抜粋
巨匠アシモフ自身が考案した、高名な《ロボット工学の三原則》にのっとって綴られる、機知あふれる連作短編集。SF史上に輝く、傑作中の傑作。
■感想
あまりにも有名で、かつ以降のSFに登場する全てのロボットを定義してしまったとも言える《ロボット工学の三原則》。
「タイムパラドックス」をいかに成立させるかがタイムトラベル物の醍醐味のように、本作の扉に示された三原則はロボット物の要(いかに破綻させるのか・守らせるのか)となっていきます。
---
ロボット工学の三原則
一、ロボットは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下さずに人間が危害を受けるのを黙視していてはならない。
二、ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第一原則に反する命令はその限りではない。
三、ロボットは自らの存在を護らなくてはならない。ただしそれは第一、第二原則に違反しない場合に限る。
ロボット工学教科書 第五十六版 紀元二〇五八年
---
70年前の作品とは思えない面白さは、ロボットをモチーフとしながらもそこに描かれるのは、人間をモチーフとして作られたロボットだからからこそ浮かび上がる、人間の変わらぬ性だからかと思います。
(I, ROBOT by Isaac Asimov, Copyright 1950. 1976年発行)
★★★

■裏表紙より抜粋
巨匠アシモフ自身が考案した、高名な《ロボット工学の三原則》にのっとって綴られる、機知あふれる連作短編集。SF史上に輝く、傑作中の傑作。
■感想
あまりにも有名で、かつ以降のSFに登場する全てのロボットを定義してしまったとも言える《ロボット工学の三原則》。
「タイムパラドックス」をいかに成立させるかがタイムトラベル物の醍醐味のように、本作の扉に示された三原則はロボット物の要(いかに破綻させるのか・守らせるのか)となっていきます。
---
ロボット工学の三原則
一、ロボットは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下さずに人間が危害を受けるのを黙視していてはならない。
二、ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第一原則に反する命令はその限りではない。
三、ロボットは自らの存在を護らなくてはならない。ただしそれは第一、第二原則に違反しない場合に限る。
ロボット工学教科書 第五十六版 紀元二〇五八年
---
70年前の作品とは思えない面白さは、ロボットをモチーフとしながらもそこに描かれるのは、人間をモチーフとして作られたロボットだからからこそ浮かび上がる、人間の変わらぬ性だからかと思います。
(I, ROBOT by Isaac Asimov, Copyright 1950. 1976年発行)
★★★
ラベル:
★★★,
1950年代,
SF,
アイザック・アシモフ
2020年8月18日火曜日
『無限の境界』 ロイス・マクマスター・ビジョルド
生まれつき身体に不自由がある主人公マイルズが悪戦苦闘することで、道化師のように人々の心に入り、人とは何か・どこままでが人かなどの免罪符を私たちに突き付ける
■裏表紙より抜粋
傭兵艦隊提督マイルズが回想する冒険の数々。1989年度ヒューゴー/ネビュラ両賞受賞作『喪の山』、遺伝子研究所に潜入する『迷宮』、敵星セダガンダ帝国の捕虜収容所から一万人を大脱走させる『無限の境界』の中編3作を収録。
■感想
本書は1986年から30年以上続く、マイルズ・ネイスミス・ヴォルコシガンを主に主人公としたスペースオペラ《ヴォルコシガン・サーガ》の4作目・中編集です。
『バラヤー内乱』(Copyright 1991、2000年発行)訳者あとがきに紹介されている著者の言葉「シリーズのなかの本は、それ自体で完成した物語であると同時に、成長せいていく構図のなかで独自の位置を保たねばなりません」のとおり、本作品だけでも・本作品からでも楽しむことができます。
かくいう私も気づかぬ内に『⑦バラヤー内乱』⇒『②自由軌道』(Copyright 1987、1991年発行)⇒『④無限の境界』と読んでいました。
本作品では、生まれつき身体に不自由があるマイルズが悪戦苦闘・活躍することで、道化師のように人々の心に入り、人とは何か・どこままでが人かなどの免罪符を、敵対するもの・周りの人々に・そして読者の私たちに突き付けてきます。
30年以上前に主人公の身体に不自由があることを設定したことに驚きつつも、多様性を尊重される現在においては先見性があり、だからこそ主人公の魅力が陰ることなく30年以上も続いているのではないかと思います。
(BORDERS OF INFINITY by Lois McMaster Bujold, Copyright 1989. 1994年発行)
★★★

■ヴォルコシガン・サーガ(2020年8月現在)
・『戦士志願』(Copyright 1986. 1991年発行)
・『自由軌道』(Copyright 1987. 1991年発行) ネビュラ賞
・『親愛なるクローン』(Copyright 1989. 1993年発行)
・『無限の境界』(Copyright 1989. 1994年発行) ヒューゴー賞/ネビュラ賞
・『ヴォル・ゲーム』(Copyright 1990. 1996年発行) ヒューゴー賞
・『名誉のかけら』(Copyright 1986. 1997年発行)
・『バラヤー内乱』(Copyright 1991. 2000年発行) ヒューゴー賞/ローカス賞
・『天空の遺産』(Copyright 1995. 2001年発行)
・『ミラー・ダンス(上・下)』(Copyright 1994. 2002年発行) ヒューゴー賞/ローカス賞
・『Dreamweaver's Dilemma』(短編, Copyright 1995. 未出版)
・『遺伝子の使命』(Copyright 1986. 2003年発行)
・『メモリー(上・下)』(Copyright 1996. 2006年発行)
・『ミラー衛星衝突(上・下)』(Copyright 1998. 2012年発行)
・『任務外作戦(上・下)』(Copyright 1999. 2013年発行)
・『外交特例』(Copyright 2002. 2014年発行)
・『大尉の盟約(上・下)』(Copyright 2012. 2015年発行)
・『マイルズの旅路』(Copyright 2010. 2017年発行)
・『女総督コーデリア』(Copyright 2016. 2020年発行)
・『The Flowers of Vashnoi』(Copyright 2018. 未訳)
■裏表紙より抜粋
傭兵艦隊提督マイルズが回想する冒険の数々。1989年度ヒューゴー/ネビュラ両賞受賞作『喪の山』、遺伝子研究所に潜入する『迷宮』、敵星セダガンダ帝国の捕虜収容所から一万人を大脱走させる『無限の境界』の中編3作を収録。
■感想
本書は1986年から30年以上続く、マイルズ・ネイスミス・ヴォルコシガンを主に主人公としたスペースオペラ《ヴォルコシガン・サーガ》の4作目・中編集です。
『バラヤー内乱』(Copyright 1991、2000年発行)訳者あとがきに紹介されている著者の言葉「シリーズのなかの本は、それ自体で完成した物語であると同時に、成長せいていく構図のなかで独自の位置を保たねばなりません」のとおり、本作品だけでも・本作品からでも楽しむことができます。
かくいう私も気づかぬ内に『⑦バラヤー内乱』⇒『②自由軌道』(Copyright 1987、1991年発行)⇒『④無限の境界』と読んでいました。
本作品では、生まれつき身体に不自由があるマイルズが悪戦苦闘・活躍することで、道化師のように人々の心に入り、人とは何か・どこままでが人かなどの免罪符を、敵対するもの・周りの人々に・そして読者の私たちに突き付けてきます。
30年以上前に主人公の身体に不自由があることを設定したことに驚きつつも、多様性を尊重される現在においては先見性があり、だからこそ主人公の魅力が陰ることなく30年以上も続いているのではないかと思います。
(BORDERS OF INFINITY by Lois McMaster Bujold, Copyright 1989. 1994年発行)
★★★
■ヴォルコシガン・サーガ(2020年8月現在)
・『戦士志願』(Copyright 1986. 1991年発行)
・『自由軌道』(Copyright 1987. 1991年発行) ネビュラ賞
・『親愛なるクローン』(Copyright 1989. 1993年発行)
・『無限の境界』(Copyright 1989. 1994年発行) ヒューゴー賞/ネビュラ賞
・『ヴォル・ゲーム』(Copyright 1990. 1996年発行) ヒューゴー賞
・『名誉のかけら』(Copyright 1986. 1997年発行)
・『バラヤー内乱』(Copyright 1991. 2000年発行) ヒューゴー賞/ローカス賞
・『天空の遺産』(Copyright 1995. 2001年発行)
・『ミラー・ダンス(上・下)』(Copyright 1994. 2002年発行) ヒューゴー賞/ローカス賞
・『Dreamweaver's Dilemma』(短編, Copyright 1995. 未出版)
・『遺伝子の使命』(Copyright 1986. 2003年発行)
・『メモリー(上・下)』(Copyright 1996. 2006年発行)
・『ミラー衛星衝突(上・下)』(Copyright 1998. 2012年発行)
・『任務外作戦(上・下)』(Copyright 1999. 2013年発行)
・『外交特例』(Copyright 2002. 2014年発行)
・『大尉の盟約(上・下)』(Copyright 2012. 2015年発行)
・『マイルズの旅路』(Copyright 2010. 2017年発行)
・『女総督コーデリア』(Copyright 2016. 2020年発行)
・『The Flowers of Vashnoi』(Copyright 2018. 未訳)
2020年8月15日土曜日
『第五の季節』 N・K・ジェミシン
SFよりもファンタジーよりな物語。第二部・第三部へと続く、数百年ごとにリセットされる世界が提示される
■帯より転載
前人未到の
三年連続
ヒューゴー賞
受賞シリーズ
では、
世界の終わりの話から
はじめようか。
■感想
数百年ごとに天変地異が起こり、その都度文明が滅びる世界(遠い未来の地球)。
中世ヨーロッパ的かつディストピアを背景に、(地殻を操ることができる)オロジェンであることを隠していた主婦のエッスン、オロジェンとしての力を訓練する少女ダマヤ、オロジェンのエリート教育を受けたアライアの物語が交差しながら、この世界における階級社会や歴史などが徐々に見えてきます。
しかし、本作単独では大きなカタルシスを得ることはできません。
(『破壊された地球(上・中・下)』の上巻という位置付けです)
「三年連続ヒューゴー賞受賞」という期待感からの、SFというよりファンタジーよりな世界観、抑圧された階級社会への苛立ちという骨子に、少し肩透かしされたかのような読後感です。
(THE FIFTH SEASON by N. K. Jemisin, Copyright 2015. 2020年発行)
★★★


■《破壊された地球》三部作
・第一部『第五の季節』(Copyright 2015. 2020年発行) ヒューゴー賞
・第二部『オベリスクの門(仮題)』(Copyright 2016. 2021年春刊行予定) ヒューゴー賞
・第三部・完結編『石の空(仮題)』(Copyright 2017. 2021年秋刊行予定) ヒューゴー賞/ネビュラ賞
■帯より転載
前人未到の
三年連続
ヒューゴー賞
受賞シリーズ
では、
世界の終わりの話から
はじめようか。
■感想
数百年ごとに天変地異が起こり、その都度文明が滅びる世界(遠い未来の地球)。
中世ヨーロッパ的かつディストピアを背景に、(地殻を操ることができる)オロジェンであることを隠していた主婦のエッスン、オロジェンとしての力を訓練する少女ダマヤ、オロジェンのエリート教育を受けたアライアの物語が交差しながら、この世界における階級社会や歴史などが徐々に見えてきます。
しかし、本作単独では大きなカタルシスを得ることはできません。
(『破壊された地球(上・中・下)』の上巻という位置付けです)
「三年連続ヒューゴー賞受賞」という期待感からの、SFというよりファンタジーよりな世界観、抑圧された階級社会への苛立ちという骨子に、少し肩透かしされたかのような読後感です。
(THE FIFTH SEASON by N. K. Jemisin, Copyright 2015. 2020年発行)
★★★
■《破壊された地球》三部作
・第一部『第五の季節』(Copyright 2015. 2020年発行) ヒューゴー賞
・第二部『オベリスクの門(仮題)』(Copyright 2016. 2021年春刊行予定) ヒューゴー賞
・第三部・完結編『石の空(仮題)』(Copyright 2017. 2021年秋刊行予定) ヒューゴー賞/ネビュラ賞
2020年8月13日木曜日
『エンディミオンの覚醒(上・下)』 ダン・シモンズ
My Best SF①-4
「共感」・・・普遍的な価値観を突き付ける現代SFの頂点
■裏表紙より抜粋
人類がパクスの支配下におかれた32世紀。アイネイアーは、人類の救世主たる自らの使命を果たすべくパクス支配領域への帰還を決意する。そして彼女と行動をともにしてきたエンディミオンもまた新たな冒険へと旅立つが・・・・・・
■感想
本書は《ハイペリオン・シリーズ》の第4部です。
第1部と第2部が対になっていたように本書は第3部と対になり、全巻約4,400ページのボリュームに相応しい壮大な未来叙事詩が完結に向かいます。
パクス(カトリック教会)、アウスター(亜人類)、テクノコア:穏健派・急進派・究極派(AI)、アンドロイド、サイブリッド(テクノコアの肉体を伴った端末)、シュライク(機械の神の先兵)・・・それぞれの主義・思惑・行動が絡み合い、人類の未来はアイネイアー(救世主)に託されます。
そして、アイネイアーの言動の根底にあるもの=「共感」という普遍的な価値観を読者に突き付けてきます。(共感こそ、コロナ禍の今、一人ひとりが心の中に備える必要があるのかもしれません)
規格外の面白さに加え、本質的な価値観を称えるからこそ、本シリーズは現代SFの頂点と言っても過言はないはずです。
また、本シリーズを読了しアイネイアーロスを抱えた読者のために、著書は本シリーズの後日譚を描いた『ヘリックスの孤児』(Copyright 1999. 2009年発行)を発表しています。
(THE RISE OF ENDYMION by Dan Simmons, Copyright 1997. 2002年発行)
★★★★★


「共感」・・・普遍的な価値観を突き付ける現代SFの頂点
■裏表紙より抜粋
人類がパクスの支配下におかれた32世紀。アイネイアーは、人類の救世主たる自らの使命を果たすべくパクス支配領域への帰還を決意する。そして彼女と行動をともにしてきたエンディミオンもまた新たな冒険へと旅立つが・・・・・・
■感想
本書は《ハイペリオン・シリーズ》の第4部です。
第1部と第2部が対になっていたように本書は第3部と対になり、全巻約4,400ページのボリュームに相応しい壮大な未来叙事詩が完結に向かいます。
パクス(カトリック教会)、アウスター(亜人類)、テクノコア:穏健派・急進派・究極派(AI)、アンドロイド、サイブリッド(テクノコアの肉体を伴った端末)、シュライク(機械の神の先兵)・・・それぞれの主義・思惑・行動が絡み合い、人類の未来はアイネイアー(救世主)に託されます。
そして、アイネイアーの言動の根底にあるもの=「共感」という普遍的な価値観を読者に突き付けてきます。(共感こそ、コロナ禍の今、一人ひとりが心の中に備える必要があるのかもしれません)
規格外の面白さに加え、本質的な価値観を称えるからこそ、本シリーズは現代SFの頂点と言っても過言はないはずです。
また、本シリーズを読了しアイネイアーロスを抱えた読者のために、著書は本シリーズの後日譚を描いた『ヘリックスの孤児』(Copyright 1999. 2009年発行)を発表しています。
(THE RISE OF ENDYMION by Dan Simmons, Copyright 1997. 2002年発行)
★★★★★
2020年8月11日火曜日
『エンディミオン(上・下)』 ダン・シモンズ
My Best SF①-3
SF界一のヒロインは『夏への扉』のリッキィではなく、本作のアイネイアーと言っても過言ではない!
■裏表紙より抜粋
連邦の崩壊から三百年あまり、惑星ハイペリオンの狩猟ガイド・エンディミオンはかつての巡礼者・サイリーナスから、まもなく開く<時間の墓標>から現れる救世主を守ってほしいと依頼される・・・・・・
■感想
本書は《ハイペリオン・シリーズ》の第3部です。
『ハイペリオン』(Copyright 1989. 2000年発行)、『ハイペリオンの没落』(Copyright 1990. 2001年発行)で解き明かされなかった重要な謎が解決されるべく、更にスケールアップし、巡礼から300年後の物語の幕が開けることに驚きます。
<時間の墓標>から現れた救世主アイネイアー、彼女を守るべく奮闘する(まだ何ものでもない)青年ロール・エンディミオン、アンドロイドのA・ベティックによる星々を巡る(『オズの魔法使い』を準えた)旅が描かれていきます。
3つの月が上るマーレ・インフィニトゥス、超氷結状態のソル・ドラコニⅦなど、それぞれの星の描写は読者の想像力を掻き立てるような魅力に溢れています。
そして、本書においてはもう一人の主人公と言ってもよいようなデ・ソヤ神父大佐の不撓不屈な精神にて、アイネイアーを捕獲すべく執拗に後を追うべく航行が、アイネイアーたちの逃避行に幾度となくスリルを加味します。
また、SF界のヒロインとして一般的なのは『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン, Copyright 1956)のリッキィかと思いますが、私の中では断然、本作のアイネイアーです。(次点は僅差で『サイティーン』(C.J.チェリイ, Copyright 1988)のアリ)
第3部・第4部における彼女の宇宙規模の言動と活躍、時間を超えた出会いと別れ、覆すことができない生と死、様々なエピソードが重なり合うことでヒロインとしての輝きが煌めき、長大な第1部・第2部は彼女のためにあったのではないかと思うくらいです。
初読から20年近く経た今でもその輝きは変わりません。
(ENDYMION by Dan Simmons, Copyright 1996. 2002年発行)
★★★★★


SF界一のヒロインは『夏への扉』のリッキィではなく、本作のアイネイアーと言っても過言ではない!
■裏表紙より抜粋
連邦の崩壊から三百年あまり、惑星ハイペリオンの狩猟ガイド・エンディミオンはかつての巡礼者・サイリーナスから、まもなく開く<時間の墓標>から現れる救世主を守ってほしいと依頼される・・・・・・
■感想
本書は《ハイペリオン・シリーズ》の第3部です。
『ハイペリオン』(Copyright 1989. 2000年発行)、『ハイペリオンの没落』(Copyright 1990. 2001年発行)で解き明かされなかった重要な謎が解決されるべく、更にスケールアップし、巡礼から300年後の物語の幕が開けることに驚きます。
<時間の墓標>から現れた救世主アイネイアー、彼女を守るべく奮闘する(まだ何ものでもない)青年ロール・エンディミオン、アンドロイドのA・ベティックによる星々を巡る(『オズの魔法使い』を準えた)旅が描かれていきます。
3つの月が上るマーレ・インフィニトゥス、超氷結状態のソル・ドラコニⅦなど、それぞれの星の描写は読者の想像力を掻き立てるような魅力に溢れています。
そして、本書においてはもう一人の主人公と言ってもよいようなデ・ソヤ神父大佐の不撓不屈な精神にて、アイネイアーを捕獲すべく執拗に後を追うべく航行が、アイネイアーたちの逃避行に幾度となくスリルを加味します。
また、SF界のヒロインとして一般的なのは『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン, Copyright 1956)のリッキィかと思いますが、私の中では断然、本作のアイネイアーです。(次点は僅差で『サイティーン』(C.J.チェリイ, Copyright 1988)のアリ)
第3部・第4部における彼女の宇宙規模の言動と活躍、時間を超えた出会いと別れ、覆すことができない生と死、様々なエピソードが重なり合うことでヒロインとしての輝きが煌めき、長大な第1部・第2部は彼女のためにあったのではないかと思うくらいです。
初読から20年近く経た今でもその輝きは変わりません。
(ENDYMION by Dan Simmons, Copyright 1996. 2002年発行)
★★★★★
2020年8月9日日曜日
『ハイペリオンの没落(上・下)』 ダン・シモンズ
My Best SF①-2
壮大な物語は驚異のクライマックスを迎える!ただし、起承転結の承であり、さらに続く物語があることへの喜び
■裏表紙より抜粋
宇宙の蛮族アウスターから人類連邦を守るための壮絶なる戦いの火蓋が、いままさに切って落とされようとしていた。いっぽうハイペリオンでは、連邦の密命を受けた七人の男女が、ついに<時間の墓標>に到着していた。
■感想
本書は《ハイペリオン・シリーズ》の第2部です。
第1部『ハイペリオン』(Copyright 1989. 2000年発行)とは対の構造になっており、第1部に張り巡らされた数多くの伏線(謎)が見事に回収されていきます。
また、第1部は7人の巡礼者がそれぞれの物語を語っていく入れ子構造(特定の主人公がいない多視点)でしたが、本作は狂言回し(主人公的な登場人物)を立てることにより、ガラッと読み味が大きく変わりスピード感を増していきます。
主人公を立てることは単視点・ミクロな世界に縛られがちですが、そんな手法があったのかと言うべきレトリックで、アウスターと人類連邦の宇宙戦争、7人の巡礼者とシュライク、時間の墓標の謎などが多視点・マクロな世界で描かれます。
そして、狂言回しであった主人公の本当の役割が見えた時に判明する脅威の結末=回収感はさすがの一言です。
大きな回収感を味わうと通常は読了後の寂しさに陥るものですが、本書は本シリーズの第2部=起承転結の承でしかなく、この後さらに第3部・第4部と控えているのは嬉しい限りです。
(THE FALL OF HYPERION by Dan Simmons, Copyright 1990. 2001年発行)
★★★★★


壮大な物語は驚異のクライマックスを迎える!ただし、起承転結の承であり、さらに続く物語があることへの喜び
■裏表紙より抜粋
宇宙の蛮族アウスターから人類連邦を守るための壮絶なる戦いの火蓋が、いままさに切って落とされようとしていた。いっぽうハイペリオンでは、連邦の密命を受けた七人の男女が、ついに<時間の墓標>に到着していた。
■感想
本書は《ハイペリオン・シリーズ》の第2部です。
第1部『ハイペリオン』(Copyright 1989. 2000年発行)とは対の構造になっており、第1部に張り巡らされた数多くの伏線(謎)が見事に回収されていきます。
また、第1部は7人の巡礼者がそれぞれの物語を語っていく入れ子構造(特定の主人公がいない多視点)でしたが、本作は狂言回し(主人公的な登場人物)を立てることにより、ガラッと読み味が大きく変わりスピード感を増していきます。
主人公を立てることは単視点・ミクロな世界に縛られがちですが、そんな手法があったのかと言うべきレトリックで、アウスターと人類連邦の宇宙戦争、7人の巡礼者とシュライク、時間の墓標の謎などが多視点・マクロな世界で描かれます。
そして、狂言回しであった主人公の本当の役割が見えた時に判明する脅威の結末=回収感はさすがの一言です。
大きな回収感を味わうと通常は読了後の寂しさに陥るものですが、本書は本シリーズの第2部=起承転結の承でしかなく、この後さらに第3部・第4部と控えているのは嬉しい限りです。
(THE FALL OF HYPERION by Dan Simmons, Copyright 1990. 2001年発行)
★★★★★
2020年8月8日土曜日
『ハイペリオン(上・下)』 ダン・シモンズ
My Best SF①-1
ベスト・オブ・ベスト!既存SFの良いところ全部入り。SFならではのアイディア・キャラクター・飛躍・謎解き・爽快感が全て堪能できる
■裏表紙より抜粋
28世紀、宇宙に進出した人類を統べる連邦政府を震撼させる事態が発生した!時を超越する殺戮者シュライクを封じ込めた<時間の墓標>が開きはじめたというのだ。連邦は敵よりも早く<時間の墓標>の謎を解明すべく、七人の男女をハイペリオンへと送りだしたが・・・・・・
■感想
本書は《ハイペリオン・シリーズ》の第1部です。
4部作各上下巻・文庫本計8冊の総ページ数は約4,400ページのボリュームですが、読み始めたらジェットコースターに乗ったかのように、ページをめくる指が止まりません。
なぜなら、既存SFの良いところは全部入りと言っても過言ではなく、SFならではのアイディア・キャラクター・飛躍・謎解き・爽快感などが全て堪能できるからです。
「SF読みで良かった!」と思ったことを、初読から20年近く経た今でも覚えています。
本書は『千夜一夜物語』のように入れ子構造になっており、(大枠)時間の墓標を目指す7人の巡礼者の物語⇔(中枠)各巡礼者が語るそれぞれの時間の墓標との物語⇔(小枠)中枠に登場する人物が語る物語となっています。
また、それぞれ中・小枠の物語もミステリー・バトル・ラブロマンス・ホラー・ファミリーなどジャンルが多岐にわたり、さらに一人称・三人称も物語に即して使い分けられているのですが、著者の圧倒的に筆力によって一切の破綻はありません。
既存SFの良いところ全部入りだけではなく、オールジャンルが堪能できる作品であり、本シリーズは未だMy Best of Best SFです。
(HYPERION by Dan Simmons, Copyright 1989. 2000年発行)
★★★★★


■ハイペリオン・シリーズ
・『ハイペリオン』(Copyright 1989. 2000年発行) ヒューゴー賞/ローカス賞
・『ハイペリオンの没落』(Copyright 1990. 2001年発行) ローカス賞
・『エンディミオン』(Copyright 1996. 2002年発行)
・『エンディミオンの覚醒』(Copyright 1997. 2002年発行) ローカス賞
ベスト・オブ・ベスト!既存SFの良いところ全部入り。SFならではのアイディア・キャラクター・飛躍・謎解き・爽快感が全て堪能できる
■裏表紙より抜粋
28世紀、宇宙に進出した人類を統べる連邦政府を震撼させる事態が発生した!時を超越する殺戮者シュライクを封じ込めた<時間の墓標>が開きはじめたというのだ。連邦は敵よりも早く<時間の墓標>の謎を解明すべく、七人の男女をハイペリオンへと送りだしたが・・・・・・
■感想
本書は《ハイペリオン・シリーズ》の第1部です。
4部作各上下巻・文庫本計8冊の総ページ数は約4,400ページのボリュームですが、読み始めたらジェットコースターに乗ったかのように、ページをめくる指が止まりません。
なぜなら、既存SFの良いところは全部入りと言っても過言ではなく、SFならではのアイディア・キャラクター・飛躍・謎解き・爽快感などが全て堪能できるからです。
「SF読みで良かった!」と思ったことを、初読から20年近く経た今でも覚えています。
本書は『千夜一夜物語』のように入れ子構造になっており、(大枠)時間の墓標を目指す7人の巡礼者の物語⇔(中枠)各巡礼者が語るそれぞれの時間の墓標との物語⇔(小枠)中枠に登場する人物が語る物語となっています。
また、それぞれ中・小枠の物語もミステリー・バトル・ラブロマンス・ホラー・ファミリーなどジャンルが多岐にわたり、さらに一人称・三人称も物語に即して使い分けられているのですが、著者の圧倒的に筆力によって一切の破綻はありません。
既存SFの良いところ全部入りだけではなく、オールジャンルが堪能できる作品であり、本シリーズは未だMy Best of Best SFです。
(HYPERION by Dan Simmons, Copyright 1989. 2000年発行)
★★★★★
■ハイペリオン・シリーズ
・『ハイペリオン』(Copyright 1989. 2000年発行) ヒューゴー賞/ローカス賞
・『ハイペリオンの没落』(Copyright 1990. 2001年発行) ローカス賞
・『エンディミオン』(Copyright 1996. 2002年発行)
・『エンディミオンの覚醒』(Copyright 1997. 2002年発行) ローカス賞
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