2020年8月19日水曜日

『わたしはロボット』 アイザック・アシモフ

SFの原点。以降のSFに登場する全てのロボットを定義してしまった《ロボット工学の三原則》

■裏表紙より抜粋
巨匠アシモフ自身が考案した、高名な《ロボット工学の三原則》にのっとって綴られる、機知あふれる連作短編集。SF史上に輝く、傑作中の傑作。

■感想
あまりにも有名で、かつ以降のSFに登場する全てのロボットを定義してしまったとも言える《ロボット工学の三原則》。
「タイムパラドックス」をいかに成立させるかがタイムトラベル物の醍醐味のように、本作の扉に示された三原則はロボット物の要(いかに破綻させるのか・守らせるのか)となっていきます。
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ロボット工学の三原則
一、ロボットは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下さずに人間が危害を受けるのを黙視していてはならない。
二、ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第一原則に反する命令はその限りではない。
三、ロボットは自らの存在を護らなくてはならない。ただしそれは第一、第二原則に違反しない場合に限る。
ロボット工学教科書 第五十六版 紀元二〇五八年
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70年前の作品とは思えない面白さは、ロボットをモチーフとしながらもそこに描かれるのは、人間をモチーフとして作られたロボットだからからこそ浮かび上がる、人間の変わらぬ性だからかと思います。
(I, ROBOT by Isaac Asimov, Copyright 1950. 1976年発行)

★★★