■帯より転載
ネビュラ賞受賞宇宙SF
バイオテクノロジーが産んだ新しい子どもたち
一世一代の脱出計画は成功するか?
■感想
本書は《ヴォルコシガン・サーガ》の2作目ですが、シリーズ主人公のマイルズ誕生のほぼ200年前の物語であり、マイルズやその周辺人物は登場しません。
無重力環境下の労働力として、足の代わりにもう一組の手を持つ「クァディー(四つ手)」が辺境の惑星の研究衛星上で創造された。
その数は約1,000人、しかし、次世代技術の開発により時代遅れとなったクァディーたちの破棄命令が下されます。
クァディーたちの新任教育担当者は反旗を翻し、脱出計画を企てます。
本作を象徴するクァディーは、アニメ『機動戦士ガンダム』(1979年)にて、ジオングを前にしたシャアと整備士の会話「足は付いていない」「あんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ」を思い出させます。
山場に次ぐ山場でぐいぐいと最後まで引っ張られる、(良い意味での)オーソドックスなSF作品です。
(FALLING FREE by Lois McMaster Bujold, Copyright 1987. 1991年発行)
★★★