2020年7月14日火曜日

『シャドウ・オブ・ヘゲモン(上・下) オースン・スコット・カード

さすがのストーリーテリング。仲間を救出すべく戦略とアクションが魅力的

■帯より転載
戦友たちを救い出せ!
凶悪な敵アシルに誘拐されたバトル・スクールの仲間たちを救うべく、ビーンは決死の行動を開始したが・・・・・・!?

■感想
本書はビーンを主人公とした《エンダーズ・シャドウシリーズ》の2作目です。
第三次バガー戦を終え、地球に帰還したバトル・スクールの生徒たちは、世界支配をめぐる権力闘争に巻き込まれていきます。
ロシア・中国・インドを陰から操る、ビーンの宿敵アシル。
世界を統べる覇者(ヘゲモン)を目指す、エンダーの実兄ピーター。
そしてアシルに捕らわれたバトル・スクールの仲間たちを救出すべく行動を起こしたビーンの三人を軸に、地球世界の再秩序に向けた動きが描かれていきます。
また、ペトラやスリヤウォングなど『エンダーのゲーム』では多くを語られなかったキャラクターたちが生き生きと活躍します。
現代と変わらない戦争・戦闘方法を舞台としているため、SF的なアイディアは残念ながらありませんが、エンダーが救った地球の後日譚(《エンダー5部作》では余り語られないピーターの活躍)、主人公ビーンの成長を楽しむことができます。
(SHADOW OF THE HEGEMON by Orson Scott Card, Copyright 2000. 2003年発行)

★★★