■裏表紙より抜粋
1957年、SF同人誌〈宇宙塵〉が創刊され、同誌から星新一が作家デビューを果たした。この現代日本SF誕生の年から60周年を記念して、第一世代作家6人の傑作選を日下三蔵の編集により刊行する。第1弾は、いまや現代日本文学の巨匠となった筒井康隆。
■感想
ギャグ漫画において赤塚不二夫が描かなかったギャグ・漫画手法が無かったと言われるように、日本SFの黎明期において作者が「まだ誰も書いていないアイディア、書き方の手法」に邁進していく様が感じられる初期25編の短篇を収めた一冊です。
各短編のアイディアは、作者の頭は一体どんな風になっているのかと、良い意味で疑いたくなるほど秀逸です。
少し前の作品が再出版される際の常套句「本書には、今日では差別表現として好ましくない用語が使用されています」が、本書では飾りではなく、(誰も書いていないアイディアを書くために)散見されるため、2020年に読むと読後感は少し悪かったりもします。
(2017年8月発行, 1964~1978年の作品を収録)
★★★