「生まれつづけるかぎり、いく度かは死ぬのは大丈夫なんだよ」・・・深淵な哀しみの先に見える再生の物語
■裏表紙より抜粋
<死者の代弁者>エンダーは、さっそくルジタニアをめざし旅立った。ピギーの未来を、さらには人類の未来も変えるために・・・・・。前作『エンダーのゲーム』に続いて、二年連続でヒューゴー、ネビュラ両賞を受賞した傑作長編!
■感想
書店で「死者の代弁者」というタイトルと、ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞に惹かれて購入しました。
その筆の滑らかさ、死者の代弁者という一見不明な主人公の職業、そして目的・贖罪が分かるにつれ、読書スピードは増し一晩で上下巻を読み終わりました。
人類が3000年振りに遭遇した知的生命体ピギーとのいわゆるファーストコンタクト系物語を軸に、代弁者=探偵の解き明かし・探偵小説的な面白さ、ネットワーク上に生まれた知能=もう一つのファーストコンタクトなどが幾重にも絡み合っています。
まさにヒューゴー・ネビュラ両賞に納得の味わいです。
しかし、読書中に驚くことが起きたのです。
「もしかして本書は続巻にあたり、前の話があるのでは?!」・・・上巻の途中で本書が『エンダーのゲーム』の続編にあたることを知るのです。
もちろん、その時点では『エンダーのゲーム』(Copyright 1985. 1987年発行)は未読、読まずして前編の最大の肝を知ってしまう失態。
本書でどっぷりとオースン・スコット・カードにはまり、本エンダー・シリーズも『エンダーのゲーム』に遡った後、『ゼノサイド(上・下)』(Copyright 1991. 1994年発行)、姉妹編『エンダーズ・シャドウ(上・下)』(Copyright 1999. 2000年発行)・・・と一気に買い揃えてしまいました。
しかし、『シャドウ・パペッツ』(Copyright 2002. 2004年発行)以降は翻訳されていないのです!
『エンダーのゲーム』と『死者の代弁者』は新訳版(2013・2015年)が出たので、その流れで『SHADOW OF THE GIANT』(Copyright 2005)等の翻訳を楽しみにしていたのですが、未だ発行されず。
やはり原著に手を出すしか無いのかと悩む今日この頃です。
(SPEAKER FOR THE DEAD by Orson Scott Card, Copyright 1986. 1990年発行)
★★★★★