■裏表紙より抜粋
現代日本SF誕生から60周年を記念して、第一世代作家6人の傑作選を日下三蔵の編集により刊行するシリーズ。第2弾は、日本SFの巨大なる父、小松左京。
■感想
編者も解説で述べているとおり、本傑作選シリーズは各著書の「傑作」選であり、オールタイムベストではないです。
各書を読んで気に入ったら、巻末にある著作リストを参考に、代表作をはじめ深く読み込むための入門書シリーズと位置付けられています。
小松左京の作品を読むのは、『首都消失』(1985年)以来の35年振り!同じ年に『日本沈没』も読んだので、『日本SF傑作選2』は3冊目となります。
読後感としては、まさに王道、ど真ん中。
骨太な構成・アイディアに、リアリティのある登場人物・会話・社会の動きなどに圧倒されます。
何で35年間も遠ざけていたのだろう、勿体ないことをしたなあ、という気持ちです。
長編『継ぐのは誰か?』(1968年)は人類進化をテーマとした作品、エピローグが海外SFのような余韻が心地よいです。
短編『物体O』(1977年)は『首都消失』のプロット的な物語。
その他6編の短編を収録。
(2017年10月発行, 1963~1968年の作品を収録)
★★★★