■裏表紙より抜粋
エンダーの影の存在としてエンダーを補佐してビーンが見た『エンダーのゲーム』の真実とは・・・・・?
■感想
《エンダー5部作》は2巻目以降、アクションが控えめとなり思考的面白さに比重が高くなっていきます。
その反面に、本書を起点とした《エンダーズ・シャドウシリーズ》は《エンダー5部作》から枝分かれし、ビーンを主人公としてバガー戦後の地球を舞台に、アクション・バトル等を中心に物語が展開していきます。
ただし、1巻目にあたる本作は第三次バガー戦をビーンの視点から語っているので、まずは『エンダーのゲーム』(Copyright 1985. 1987年発行)を読むことをお薦めします。
(著書はどちらからでも読んでも楽しめると書いていますが、第三次バガー戦の決着方法は『エンダーのゲーム』ありきです。あの時のエンダーの言動はこういった意味だったんだ等の楽しみ方が本書にはあります)
もちろん、ビーンがIF(国際艦隊)からエンダーのスペア(シャドウ)として認められていく、成長していく様や出生の秘密など物語としての面白しろさは折り紙つきです。
エンダーの物語の対でもあるため、エンダーにおける絶対的な敵・脅かす存在ピーター(実兄)的な人物として、ビーンにもアシルが登場しますが、悪役としての怖さや魅力が感じられないことが残念であり、その残念さは続巻以降も続くことになります。
(ENDER'S SHADOW by Orson Scott Card, Copyright 1999. 2000年発行)
★★★★