2020年12月31日木曜日

『道を視る少年(上・下)』 オースン・スコット・カード

ファンタジーの皮を被ったSF?!続きが気になる少年リグの異世界冒険譚

■帯より転載
『エンダーのゲーム』
の著者が放つ
異世界冒険SFの金字塔
人の軌跡を視ることができる特殊能力を持つ
少年リグの波乱万丈の冒険を描く!

■感想
映画『エンダーのゲーム』が日本で公開(2014年)されたのに併せて翻訳・出版されたのが本作です。
当時、久々のカードの新作だ!と嬉しくなって、書店で手にしたのを覚えています。
あれから6年ほど経ちますが、残念ながら続巻は未訳のままです。
序盤は『第七の封印』(Copyright 1987, 1993年発行)や《帰郷を待つ星シリーズ》(Copyright 1993, 1996年発行~)を思い出させる、ガーデン星・リグを主人公としたファンタジー(異世界冒険)ですが、各章の冒頭に描かれる地球人・ラムの物語と徐々にリンクを始めることで、未来・宇宙SFの様を感じさせます。
リグの冒険が一つの壁を越え、主人公たちの能力がどう開花されていくのか等、さあこれから!と言うところで、「続きは次回に」となります。
続きが気になってしょうがない・・・。
(FINDER PATH by Orson Scott Card, Copyright 2010. 2014年発行)

★★★

 

■THE PATHFINDER Series
・『道を視る少年』(Copyright 2010. 2014年発行)
・『RUINS』(Copyright 2012. 未訳)
・『VISITORS』(Copyright 2014. 未訳)

2020年12月26日土曜日

『第七の封印』 オースン・スコット・カード

一人の少女が世界を救うために旅に出る・・・異世界冒険SF

■裏表紙より抜粋
神話と伝承に彩られた惑星イマキュラータ。太古の預言者はペイシェンスこそ人類の救世主であり、神を産む聖母になると告げていたのだ!父の死後、放浪の旅に出た彼女だが、その行く手には預言の成就をはばむべく恐るべき敵が待ち受けていた・・・

■感想
和訳・出版された著書の作品の中では、(おそらく)唯一の女性主人公です。
ざっくり言うと『指輪物語』(J・R・R・トールキン, 1954年)に、モルモン教(キリスト教の一派)の処女懐胎を重ね合わせた感じです。
本作はほぼファンタジーであり、キャラクターの造形やストーリーテーリング、(好みは分かれそうですが)モルモン教を背景とした哲学的・普遍的なメッセージが、著者の魅力と改めて感じました。
(WYRMS by Orson Scott Card, Copyright 1987. 1993年発行)

★★★

2020年12月24日木曜日

『帰郷を待つ星 地球の呼び声』 オースン・スコット・カード

全5巻の内1・2巻のみ和訳され、これからやっとSFらしくなるかも知れない3巻以降は未訳という生殺し

■帯より転載
兄弟とともに花嫁を探せとのお告げを受けた少年ニャーファイは、独裁者ムウズーの侵略に揺れる都市バシリカを訪れた。そのお告げに隠された、コンピューターの真の思惑とは?

■感想
本作は《帰郷を待つ星シリーズ》全5巻の2巻目で、起承転結の承にあたります。
次巻の題名は『THE SHIPS OF EARTH』であり、宇宙船的な物が登場しやっとSFらしくなりそうな予感がしますが、3~5巻は未訳のため、モルモン経典を下敷きとしたファンタジーのまま、生殺しとなります。
本作のクライマックスの展開は、それまでの伏線回収も含め、さすかカードというものです。
主人公ニャーファイと兄エルイェマークと幻視者リューエットの造形・関係性が、『エンダーのゲーム』(Copyright 1985. 1987年発行)におけるエンダーと兄ピーターと姉ヴィッキンに既視感を覚えるところです。
(THE CALL OF EARTH by Orson Scott Card, Copyright 1993. 1996年発行)

★★★

2020年12月19日土曜日

『帰郷を待つ星 地球の記憶』 オースン・スコット・カード

モルモン経典を下敷きとしたファンタジー

■帯より転載
故郷の星を忘れた人々
コンピューターが統括する植民惑星に生きる人類を描く、人気作家カードの新たなる未来史!

■感想
帯には「コンピューターが統括する植民惑星」とありますが、本書はSF的なガジェットは皆無であり、コンピュータの声は人々には神の声と認識されており、世界観・言動は中世ヨーロッパをイメージさせるほぼほぼファンタジーと言っても過言ではありません。
1992年は本書に加え、モルモン教徒の一家に起こる奇妙な出来事を描いた『消えた少年たち』が上梓されおり、モルモン教が作者に大きな影響を与えているであろうと推測されます。
唐突感のある神(コンピュータ)の介在はあるものの、著者の圧倒的なストーリーテーリングを楽しむことができます。
(THE MEMORY OF EARTH by Orson Scott Card, Copyright 1992. 1994年発行)

★★



■帰郷を待つ星シリーズ
・『帰郷を待つ星 地球の記憶』(Copyright 1992. 1994年発行)
・『帰郷を待つ星 地球の呼び声』(Copyright 1993. 1996年発行)
・『THE SHIPS OF EARTH』(Copyright 1994. 未訳)
・『EARTHFALL』(Copyright 1995. 未訳)
・『EARTHBORN』(Copyright 1995. 未訳)

2020年12月17日木曜日

『友なる船』 マキャフリー&ボール

1作目から約200年後を舞台に新たなヒロインが宇宙を駆け巡る

■裏表紙より抜粋
いよいよ今日が初飛行の船、ナンシア。不安いっぱいの彼女にさっそくさっそく5人の若者が乗り込んできた。みな新卒で華族と呼ばれる良家の出。なのに彼らの会話は尋常ではない。欲に目がくらみ、何やら企んでいるやくざな連中だった。

■感想
本作は《歌う船シリーズ》の2作目(日本語版は4作目として出版)であり、原作者アン・マキャフリーとマーガレット・ボールの共著となります。
1作目から約20年後に出版された続巻になり(物語上では1作目から●年後の未来)、様々なギミックはバージョンアップ、主人公も新たになっていますが、骨子となる「金属の殻の中に脳を収め、神経の一本一本を制御装置に繋げられ、チタニウムの身体=宇宙船を操る、サイボーグ船の乙女」は変わらず、物語の情感を高めています。
確かな骨子のため、十分に面白いのですが、20年振りなのか共著のためなのか、切なすぎるロマンチックさは少し1作目に軍配が上がります。
(PARTNERSHIP by Anne McCaffrey & Margaret Ball, Copyright 1992. 1995年発行)

★★★

2020年12月13日日曜日

『歌う船』 アン・マキャフリー

乙女の心とチタニウムの身体を持つサイボーグ宇宙船の青春とも言える旅路。『夏への扉』に勝るとも劣らないロマンチックな古典SF

■裏表紙より抜粋
この世に生まれ出た彼女の頭脳は申し分ないもの、ところが身体の方は機械の助けなしには生きていけない状態。<中央諸世界>は彼女を金属の殻の中に封じ込め、宇宙船の身体をあたえた。優秀なサイボーグ船の誕生・・・彼女は嘆き、喜び、愛し、歌う

■感想
本作は6編から構成される連作短編集です。
冒頭の短篇の初出は1961年、いまから約60年前にも関わらず、読了後は『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン, Copyright 1966)に勝るとも劣らないロマンチックな余韻に浸ることができます。
身体が不自由に生まれたが、頭脳明晰のため、殻人(シェルパーソン)として生きることになった主人公ヘルヴァ。
金属の殻の中に脳を収め、神経の一本一本を制御装置に繋げられ、チタニウムの身体=宇宙船を操る、サイボーグ船となります。
生まれつきの不自由さと宇宙船が持つ飛躍的な移動の自由のジレンマをベースに、一人の乙女であるヘルヴァの言動・成長に一喜一憂させられます。
古典SFの傑作として、もっと多くの人に読んでもらいたい一作です。
(THE SHIP WHO SANG by Anne McCaffrey, Copyright 1969. 1984年発行)

★★★★


■歌う船シリーズ
・『歌う船』(Copyright 1969, 1984年発行)
・『旅立つ船』(Copyright 1992, 1994年発行) マーセデス・ラッキーと共著
・『戦う都市』(Copyright 1993, 1995年発行) S・M・スターリングと共著
・『友なる船』(Copyright 1992, 1995年発行) マーガレット・ボールと共著
・『魔法の船』(Copyright 1994, 1995年発行) ジョディ・リン・ナイと共著
・『伝説の船』(Copyright 1996, 1998年発行) アン・マキャフリー原案, ジョディ・リン・ナイ著
・『復讐の船』(Copyright 1997, 1999年発行) アン・マキャフリー原案, S・M・スターリング著

2020年12月9日水曜日

『接続戦闘分隊 暗闇のパトロール』 リンダ・ナガタ

近未来ミリタリーSFは表層だけではないかと期待感を募る序章

■帯より転載
戦士たちよ
天空からの
指令に従え!
超AI時代の
近未来
戦争SF

■感想
1個分隊の上空を舞うドローンからの視点共有、バックオフィスからネット回線でリアルタイムに下る指令、眼球に組み込まれたディスプレイ等、現実の技術をアップデートしたギミックが特徴の近未来ミリタリーSF。
さらに、リアリティーショーやクラウド上に潜む進化したAI等、現実世界でもそう遠くない世界観を背景にすることで、ミリタリー物は表層であり、これから何が起きるのかと期待感を募る序章です。
原題も「First Light」(夜明け)ですから。
ただし、続刊以降は未訳となります。
(THE RED First Light by Linda Nagata, Copyright 2013. 2018年発行)

★★★ 


■THE RED Trilogy
・『接続戦闘分隊 暗闇のパトロール』(Copyright 2013. 2018年発行)
・『THE TRIALS (Book 2)』(Copyright 2015. 未訳)
・『GOING DARK (Book 3)』(Copyright 2015. 未訳)

2020年12月6日日曜日

『共和国の戦士』 スティーヴン・L・ケント

戦士として均一に培養された何千人のクローンの中で育てられた主人公

■帯より転載
この国は
おれが守る!
迫真のミリタリィSF
最強のクローン兵士
リベレーターとは!?

■感想
銀河系各地に進出した人類が、均一化された戦闘力を持った戦士としてクローンを何千体と毎年生み出し、地球各地の孤児院で育てることにより個性を持たせる点が本作のオリジナリティです。
自然生まれとの対比、クローン・改良版クローン・伝説のクローンが登場することによる少年マンガのようなパワーアップ等が、近未来ミリタリーSFに深みを添えます。
続刊以降、クローンの地位向上や自然の生まれとの争い等の展開に広がりそうな序章となります。
(THE CLONE REPUBLIC by Steven L. Kent, Copyright 2006. 2010年発行)

★★★


■ROGUE CLONE Series
・『共和国の戦士』(Copyright 2006. 2010年発行)
・『共和国の戦士2: 星間大戦勃発』(Copyright 2006. 2011年発行)
・『共和国の戦士3: クローン同盟』(Copyright 2007. 2011年発行)
・『The Clone Elite』(Copyright  2008. 未訳)
・『The Clone Betrayal』(Copyright 2009. 未訳)
・『The Clone Empire』(Copyright 2010. 未訳)
・『The Clone Redemption』(Copyright  2011. 未訳)
・『The Clone Sedition』(Copyright 2012. 未訳)
・『The Clone Assassin』(Copyright 2013. 未訳)
・『The Clone Apocalypse』(Copyright 2014. 未訳)

2020年11月30日月曜日

『大航宙時代-星海への旅立ち-』 ネイサン・ローウェル

サクサク読める少年の成長物SFだが、続刊は未訳?!

■帯より転載
ひとりの若者が
商船員をめざして
いま銀河の荒海へと
船出する!
ホーンブロワー・ファン必読!

■感想
訳者あとがきによると、本書の出自はオーディオブックであり、好評を博したため、電子書籍化、紙書籍化に至ったそうです。
少年が成長してく骨格をはじめ、テンポよく進むストーリー、順に出てくるキャラクター、課題と解決が短い章でまとまっている等、確かにドライブ中に聞くのが良さそうな内容です。
本シリーズだけでも6冊、主人公を変えたシリーズを合わせると16冊+短編2作と大長編ですが、残念ながら、1作目のみ翻訳されただけで、続刊は未訳となります。
(QUARTER SHARE by Nathan Lowell, Copyright 2007. 2014年発行)

★★


■Trader's Tales from the Golden Age of the Solar Clipper Series
《Trader Tales》
・『大航宙時代-星海への旅立ち-』(Copyright 2007. 2014年発行)
・『HALF SHARE (BOOK 2)』(Copyright 2010. 未訳)
・『FULL SHARE (BOOK 3)』(Copyright 2011. 未訳)
・『DOUBLE SHARE (BOOK 4)』(Copyright 2012. 未訳)
・『CAPTAIN’S SHARE (BOOK 5)』(Copyright 2012. 未訳)
・『OWNER'S SHARE (BOOK 6)』(Copyright 2012. 未訳)
・『QUARTER SHARE (EXCERPT)』(Copyright 2012. 未訳)
《Tales from the Deep Dark》
・『A Light in the Dark』(Copyright 2011. 未訳)
《Seeker's Tales》
・『IN ASHES BORN (BOOK 1)』(Copyright 2015. 未訳)
・『TO FIRE CALLED (BOOK 2)』(Copyright 2017. 未訳)
・『BY DARKNESS FORGED (BOOK 3)』(Copyright 2019. 未訳)
《Shaman's Tales》
・『SOUTH COAST (BOOK 1)』(Copyright 2014. 未訳)
・『CAPE GRACE (BOOK 2)』 (Copyright 2020. 未訳)
・『FINWELL BAY (BOOK 3)』(Copyright 2020. 未訳)
《Smuggler's Tales》
・『MILK RUN (BOOK 1)』(Copyright 2016. 未訳)
・『SUICIDE RUN (BOOK 2)』(Copyright 2018. 未訳)
・『HOME RUN (BOOK 3)』(Copyright 2018. 未訳)
・『EXILE』(Copyright 2016. 未訳)

2020年11月27日金曜日

『最後の帝国艦隊』 ジャスパー・T・スコット

スペースオペラ全6部の1作目だが、続刊は未訳!?

■帯より転載
恐るべき異星人から逃れ、
<暗黒星域>に隠れた
最後の人類にとって
残された道は・・・・・・!?
生き残りをかけて
力のかぎり戦え
兵士たちよ!

■感想
ポップコーンムービーのようにサクサクと読み進めていくと、全く伏線が回収されず、主人公がなぜ特別な技能を持っているか等の説明もなく、To be continued !とばかりの結末に戸惑います。
えええ?!と原題でWeb検索してみると、本作は全6部の1作目であることが判明。
しかも本作発行から5年も経過している2020年において、2作目以降は未訳のままであり、様々な伏線回収は原著を読むしかなさそうです。
(DARK SPACE by Jasper T. Scott, Copyright 2013. 2015年発行)

 ★


■DARK SPACE Series
・『A CHANCE ENCOUNTER (DARK SPACE #0.5)』(Copyright 2015. 未訳)
・『最後の帝国艦隊』(Copyright 2013. 2015年発行)
・『The INVISIBLE WAR (DARK SPACE #2)』(Copyright 2013. 未訳)
・『ORIGIN (DARK SPACE #3)』(Copyright 2013. 未訳)
・『REVENGE (DARK SPACE #4)』(Copyright 2014. 未訳)
・『AVILON (DARK SPACE #5)』(Copyright 2014. 未訳)
・『ARMAGEDDON (DARK SPACE #6)』(Copyright 2015. 未訳)

■DARK SPACE UNIVERSE Series
・『DARK SPACE UNIVERSE』(Copyright 2017, 未訳)
・『THE ENEMY WITHIN (DARK SPACE UNIVERSE #2)』(Copyright 2017, 未訳)
・『THE LAST STAND (DARK SPACE UNIVERSE #3)』(Copyright 2017, 未訳)

2020年11月25日水曜日

『レッドスーツ』 ジョン・スコルジー

『スタートレック』への愛あるオマージュ

■裏表紙より抜粋
銀河連邦の新任少尉ダールは、憧れの宇宙艦隊の旗艦に配属された。彼と新人仲間は奇妙なことに気づく。やたらと高い任務でのクルーの死亡率、絶対に死なない艦長上級士官、困ったとくに出てくる謎の箱・・・。自分たちの命を操る何者かが存在するのではないか?

■感想
『スタートレック』(1966年放映開始のSFテレビドラマ)を一度でも観たことのあるSFファンであれば、思わずニヤけてしまうのが本書です。
『スタートレック』への愛あるオマージュ、そしてメタ構造。
メタ構造は日本のジュブナイルではよくある展開ですが、そこはアメリカSF界屈指の人気作家の手に掛かると、とてつもない面白さです。
そして著者らしいロマンチックな結末にもニヤニヤ。
SFをある程度読み込んだ読者の方が、本作をより楽しめるのではないでしょうか。
(REDSHIRTS by John Scalzi, Copyright 2012. 2017年発行)

★★★★

2020年11月23日月曜日

『内なる宇宙(上・下)』 ジェイムズ・P・ホーガン

コンピュータ・ネットワーク上に生まれた何か。ホーガンの慧眼に感服

■裏表紙より抜粋
ある日突然人格が他者のものとすり替わってしまう・・・いたるところで奇異な現象が多発するジェヴレン社会に、ハント博士らは直面した。人格はコンピュータ・ネットワークを通じて別の宇宙から送り込まれてくるという。ジェヴレンを狙う”内宇宙”とは何か?

■感想
本書は14年振りに刊行された《巨人たちの星シリーズ》の4作目です。
映画『マトリックス』(監督・脚本:ウォシャウスキー姉妹, 1999年)に先駆けること8年、コンピュータ・ネットワーク上に生まれたあるものを描いています。
コンピュータ(AI)の発達により、それ自身が人格・知性を持ち始める、といった展開では全く無く、ホーガンの慧眼に感服します。
14年振りにも拘らず、物理学者ハントや生物学者ダンチェッカーの言動は変わることなく、前3部作との地続きを感じながら、若干ご都合主義が強くなった、新しい物語に入っていくことができます。
5作目にあたる『Mission to Minerva』(Copyright 2005)は未訳であり、本4作目で解決されつつ新しく提示された謎のその後が気になります。
(ENTOVERSE by James Patrick Hogan, Copyright 1991. 1997年発行)

★★★

 

2020年11月21日土曜日

Honda CT125・ハンターカブ: キーホルダー

Honda二輪車正規取扱店で注文可能。カブヌシのマストアイテム



■購入費用など(ご参考までに)
購入場所 SOX○○店
総額 715円*税込み
品名 PVCラバーキーホルダー CT125
型番 0SYEP-29H-AF

■購入方法
Honda二輪車正規取扱店にて「品名」と「型番」で注文することができます。
注文から1.5ヶ月で店舗へ納品されました。(10/3注文時点では納期未定⇒11/18受け取り)
Yahoo!ショッピング等でも購入できますが、納期に余裕が持てるのであれば、店舗への注文は送料が不要です。

■その他のオフィシャルグッズ(型番、税込み価格)

・CT125 Tシャツ レッド(0SYEP-25T-RS・M・L・XL、3,300円)
・CT125 Tシャツ サンドベージュ(0SYEP-25T-CS・M・L・XL、3,300円)
 サイズはS~XL、型番は末尾違い
・CT125 ソフトバッグ レッド(0SYEX-28P-RF、14,300円)
・CT125 ソフトバッグ グレー(0SYEX-28P-KF、14,300円)
・CT125 シェラカップ(0SYTV-29G-SF、1,980円)
※画像は『モトチャンプ2020年9月号』より転載、型番・価格はWeb調べ

2020年11月15日日曜日

『巨人たちの星』 ジェイムズ・P・ホーガン

全ての謎が解決したかのような結末だが、余韻を残す

■裏表紙より抜粋
五万年前に月面で死んだ男たちの謎、月が地球の衛星になった謎、ミネルヴァを離れたガメニアンたちの謎など、前二作の謎が見事に解き明かされる、シリーズ第3作!

■感想
本書は《巨人たちの星シリーズ》の3作目です。
ホーガン節の一つとも言える「謎を解決する直前に次の大きな謎が現れる」は、本書が前二作が繰り越した謎の解決篇の位置づけのためか、若干影を潜めます。
しかし、ストーリーテーリングは逸品で、ワクワクしながら最後のページまで捲ることができます。
作者のもう一つの特徴である「全ての謎が解決したかのような結末だが、余韻を残す=次作への展開も可能」は本作でも生きています。
三部作と思われた本シリーズは、何と14年後に4作目『内なる宇宙』(Copyright 1991, 1997年発行)が発表されるのです。
また、2作目まではその勢い(謎が謎を呼ぶ展開)で余り感じることのなかった、少し強引とも言えるSF的飛躍が本作では気になります。
(GIANT'S STAR by James Patrick Hogan, Copyright 1981. 1983年発行)

★★★

2020年11月11日水曜日

『ガニメデの優しい巨人』 ジェイムズ・P・ホーガン

ガメニアンとのファーストコンタクトから、思わぬ地球人の秘密が解き明かされていく圧巻の展開

■中表紙より抜粋
木星探査隊に向かって、宇宙の一角から未確認物体が急速に接近してきた。やがて中から姿を現したのは、二千五百年前に出発し、相対論的時差のため現代のガニメデに戻ってきたガニメアンたちだった。

■感想
本書は《巨人たちの星シリーズ》の2作目です。
前作では、その存在が語られるだけであったガメニアンが登場し、異星人とのファーストコンタクトが展開します。
題名『ガニメデの優しい巨人』の通り、ガメニアン(人)の生態やガニメデ(惑星)の歴史が紐解かれていきます。
ガメニアンの気質に関しては、太陽系におけるガニメデの位置から組み上げられており、そうかも知れないと思わされてしまいます。
さらに、地球人の驚くべき秘密も加わり、前作の謎を呼ぶ謎にまだ終わりが無かったのかという展開に、作者の想像力と読者の頭に広がっていくイメージにワクワクさせてくれます。
前作と同様、ここで終わっても良いし、次巻の布石のような結末は気持ちの良い読後感を生み出しています。
(THE GENTLE GIANTA OF GANYMEDE by James Patrick Hogan, Copyright 1978. 1981年発行)

★★★★

2020年11月9日月曜日

成田山新勝寺周辺のお勧めバイク駐車場

米屋観光センターの駐車場は、買い物をすると無料(短時間の利用)
※2020年11月の情報です。


■短時間の場合:米屋観光センター

国道51号線から新参道を北上し、成田山新勝寺の総門まで300m程度のところに「米屋観光センター」があります。
入口にはバイクの案内はありませんが、店員さんに尋ねたところ、「参拝後にお土産センターで買い物をすれば、駐車料金は無料」とのことです。
バイクが停められる場所に誘導してくれました。
「なごみの米屋」と言えば羊羹ですが、塩豆大福の3個パック(390円)がお気に入りです。

■長時間の場合:弘恵会田町駐車場

米屋観光センターからさらに新参道を進み、成田山新勝寺の総門すぐ傍(50m程度)にある駐車場が「弘恵会田町駐車場」になります。
バイクの駐車料金は1日300円です。
長時間散策するのであれば、こちらの方が気兼ねなく停めておけます。

■総門前で愛車と映える写真を

弘恵会田町駐車場から総門までは一方通行ですが「二輪・軽車両を除く」とありますので、進入可能です。
ただし、参詣客が多いときは、バイクを押して行くのが良さそうです。

2020年11月5日木曜日

『星を継ぐもの』 ジェイムズ・P・ホーガン

1980年の初版発行から38年で100刷。オールタイムベストの呼び声高い異星文明とのファーストコンタクトSF

■裏表紙より抜粋
月面で発見された真紅の宇宙服をまとった死体。彼は五万年前に死亡していたのだ!一方、木星のガニメデで、地球の物ではない宇宙船の残骸が発見される。関連は?

■感想
月で発見された〇〇・・・話の始まりや木星周辺を舞台にするあたりは、『2001年宇宙の旅』(アーサー・C・クラーク, Copyright 1968, 1977年発行)へのオマージュを感じさせますが、そんなことはアッという間に忘れてしまう程、最後の最後まで面白さが続きます。
その面白さは、小気味いいミステリーのように「謎が半分ほど解明されそうなると、それを上回る大き謎が見つかる」が繰り返されていき・・・この大風呂敷をきちんと畳めるのか心配になっていくと共に、人類がまだ到達していない月よりも遠くの星々へ思いを馳せる=どこまでも遠くに行ってみたい気持ちを空想の世界で体現させてくれます。
何からSFを読み始めてよいか悩んでいる人がいたら、本書を強くお勧めします。
王道の宇宙SF、サイエンスフィクションの妙を堪能できるはずです。
ちなみに、手元の本書を確認したところ、1998年の49版でした。
(INHERIT THE STARS by James Patrick Hogan, Copyright 1977. 1980年発行)

★★★★


■巨人たちの星シリーズ
・『星を継ぐもの』(Copyright 1977. 1980年発行)
・『ガニメデの優しい巨人』(Copyright 1978. 1981年発行)
・『巨人たちの星』(Copyright 1981. 1983年発行)
・『内なる宇宙』(Copyright 1991. 1997年発行)
・『Mission to Minerva』(Copyright 2005. 未訳)

2020年10月21日水曜日

『動乱星系』 アン・レッキー

早く続きが読みたい!同じ世界にも関わらず、前三部作から打って変わった新章開始

■帯より転載
星雲賞・ヒューゴー賞・ネビュラ賞など全世界13冠
終身流刑囚の脱獄と隣国有力者の殺人事件。
特異な文化を持つ辺境の小惑星国家で、
異星種族をも巻き込む一色即発の事態が!
《叛逆航路》ユニバース新章

■感想
前三部作と同じ世界にも関わらず、三人称の代名詞が全て「彼女」で語られるというジェンダーを曖昧に・読者の想像に委ねるという手法を止め、一人の少女を主人公とした冒険譚の幕が上がります。
読み始めの時点で、前作までのラドチ:性を区別しない社会(国家)から、ラドチに統括されていない周辺社会(国家)に舞台が移ったことを否応なく意識させられ、期待感が募ります。
そして、主人公イングレイの冒険は、10P読むごとに大なり小なりのアクシデントが現れる=ページを次々とめくるように仕掛けられており、読了後は「早く続きが読みたい!」と思わせる著者の技量に舌を巻きます。
しかし、本国でも次作は発表されていないので、首を長くして待つことになるようです。
(PROVENANCE by Ann Leckie, Copyright 2017. 2018年発行)

★★★★

2020年10月20日火曜日

『月は無慈悲な夜の女王』 ロバート・A・ハインライン

7月4日はアメリカ独立宣言の日、どう捉えているかによって本作の位置づけも大きく変わる

■裏表紙より抜粋
2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した!だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、強大な地球に立ち向かうためには・・・

■感想
1776年7月4日のアメリカ独立宣言からちょうど300年後が舞台です。
この7月4日が本作のミソであり、アメリカ人であれば、地球から月世界の独立とイギリスからアメリカの独立が自然と重なって、気持ちが昂る仕組みとなっています。
しかし、アメリカ人でなくても、最終章における月世界の独立の可否は十分にカタルシスが得られます。
邦題のセンスが素晴らしく、40年以上経た今でも想像力を描き立たせます。
(THE MOON IS A HARSH MISTRESS by Robert A. Heinlein, Copyright 1966. 1976年発行)

★★★

2020年10月10日土曜日

『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン

SFの教科書の一つ。主人公が逆境=冬を乗り越え、「夏への扉」を開く爽快感

■裏表紙より抜粋
最愛の恋人には裏切られ、仕事は取りあげられ、生命から二番めに大切な発明さえ騙しとられてしまった・・・ぼくの心を冷凍睡眠保険がとらえたのだが・・・巨匠の傑作長篇

■感想
ジュブナイル、ライトノベルの源流とも言える、主人公の飼い「猫」ピート、11歳の「ヒロイン」リッキイ、現代と未来を行き来する「時間旅行」、そして「Boy Meets Girl」がお手本のように描かれています。
1950年代の作品とあって、冷凍睡眠、文化女中器(掃除ロボット)、護衛官ピート(全目的ロボット)、製図機ダンなど登場するギミックの古さは否めませんが、主人公が逆境=冬を乗り越え、夏への扉を開く(読了後の)爽快感は普遍的な面白さがあります。
主人公が夏への扉を探していた日が、1970年12月3日。
1日前であれば、自身の誕生日と同じで、SFファンとしては喜ばしかったのですが。
(THE DOOR INTO SUMMER by Robert A. Heinlein, Copyright 1957. 1979年発行)

★★★★

2020年10月9日金曜日

『星群艦隊』 アン・レッキー

SFならではの面白さに加え、性別・人種・宗教・職業・家柄・人類/非人類などの意味を突き付ける2010年代のベストSF!

■帯より転載
星雲賞・ヒューゴー賞・ネビュラ賞など
シリーズ計12冠達成!
『叛逆航路』三部作完結!
本格宇宙SFのニュー・スタンダード

■感想
「面白かった。もう読み終わってしまった・・・」大満足の三部作でした。
SFならではの面白さ=宇宙・戦艦・ステーション・未来・AIなど王道的なギミックが世界観を構築する中、SFでしか描ききれないテーマ=性別・人種・宗教・職業・家柄・人類/非人類など意味を読者に突き付けてくる、本格SFのニュー・スタンダードと言って過言ではありません。
三人称の代名詞が全て「彼女」で語られる(原著ではShe,Her)、主人公のブレクは宇宙戦艦のAIであり、その人格を4,000人の肉体に同時並行に共有する「属躰」という存在であった・・・「彼女」と「属躰」という本三部作ならではのギミックが今までに読んだことのない新しい体験への興奮と読了後の満足感を与えてくれています。
同時収録されている、シリーズの前日譚である『主の命に我従はん』も著書ならではの味わい深い短編です。
(ANCILLARY MERCY and SHE COMMANDS ME AND I OBEY by Ann Leckie, Copyright 2014, 2015. 2016年発行)

★★★★★

2020年10月8日木曜日

『亡霊星域』 アン・レッキー

嵐の前の静けさか。舞台はアソエク星系にほぼ限定されるが、第3部に向けて世界観・テーマは深化する

■帯より転載
ヒューゴー賞・ネビュラ賞など
シリーズ計9冠受賞!
『叛逆航路』第2部
本格宇宙SFのニュー・スタンダード

■感想
かつては宇宙戦艦のAIかつ複数の肉体を持つ存在であったが、今はただ一つの肉体しか持たない「属躰」の主人公ブレク。
大切にしていた人の妹が住むアソエク星系に艦隊司令官として赴任し、星系を守るために敵対勢力に挑む・・・。
第1部が復讐劇として動きがあるのに比べ、第2部は舞台はアソエク星系にほぼ限定され密室劇・知恵比べ・サスペンスのような面白さです。
副官として新規乗船したティルサルワットの正体が明かされる序盤含め、蛮族プレスジャーの登場など、舞台が限定されているにも関わらず、その世界観はより広がっていきます。
邦題に関しての補足。
『年間日本SF傑作選 虚構機関』(2008年12月発行)の序文(大森 望)に、<漢字四文字は創元SF文庫の勝負作の基本>との記載を見つけ、本シリーズの不可解な邦題がやっと腑に落ちた次第です。
(ANCILLARY SWORD by Ann Leckie, Copyright 2014. 2016年発行)

★★★★